2024年12月23日( 月 )

【読者投稿】「徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史」に寄せられたご意見(6)ある大学教員コメント

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 私立大文系学部の一教員です。このたびの連載「徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史」を読み、心底怒りをおぼえました。

 大学トップが、我々末端の大学教員の矜持を踏みにじるような「研究業績」を天下に公開している。我々は、多忙な業務のなかで時間をやりくりしながら、自らに与えられた使命と信ずる研究に従事することで、学術界、ひいては社会全体に、いささかなりとも貢献できることを念じ、拙いながらも日々歩みを進めています。個々の大学教員の研究業績のリストとは、たったこれだけしかできなかったという斬鬼の念と、それでもこれだけのことは達成できたという誇りをないまぜにして、自分自身のそれまでの歩みを世に示し、世の人々の審判を仰ぐ場にほかなりません。その重みを、この学長は何1つわかっていない。情けないかぎりです。

 この問題は、ひとり大学にとどまらず、日本社会全体の病理に通ずるものだと感じます。近年、「コンプライアンス遵守」ということがことごとに言われ、組織の構成員はそれに対して自覚的であるよううながされています。そのこと自体は悪いことではないでしょう。ところが、それを要求する側が、役所の統計改竄、企業の偽装、粉飾決済等々と、およそ示しのつかない行動をとっています。

 今回の連載は、一地方大学の事例にすぎないとして関係者以外が看過してよいものではなく、私たち一人ひとりに関わる、まともなリーダーをどう育て、どう選ぶかという問題とリンクしているように思います。できうれば、日本社会を覆う閉塞感の蔓延を打破する道筋を展望できるような、力強い続報を期待します。

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