2024年12月23日( 月 )

【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史(9)】恐怖政治篇3:医学部教授選考への不当介入(2)──優秀な人材は、特に九大出身者は書類審査で落とせ!

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 我々は前記事にて、医学部長時代の朔学長が同学部内で人事が発生するたびに同期で腹心のパワハラ医師・X教授を使い、自分の意のままに候補者が選出されるような仕組みを構築していった様子をお伝えした。そんな手を弄してまで、一体かれはどんな人事を、何のために進めようとしてきたのか。“福大卒の盟主“の正体がここに明らかになる。

 新たに教授職に就く人材を選ぶための「選考委員会」に、正教授会での選挙で選ばれた「選考委員」だけでなく、医学部長が必ず入る仕組みになっていることからもわかる通り、「医学部長」たる者の責務は専門も個性も多様な医学部スタッフの調和を図り、医学部全体をより良い方向に導くことにある。

 とすれば、医学部長時代の朔学長が同期のパワハラ教授を手駒としてフル活用し、医学部教授たちの投票行動をコントロールしようとしてきたのも、かれが「福大医学部全体をより良い方向に導く優秀な人材」と判断する者が「トップダウンの機動力」でスムーズに選ばれるようにするためだったかもしれない──精一杯の性善説に立ち、考えつく限りの弁護の道を探った結果、筆者の頭にはそんな推測も浮かんだ。

 そこで、かれの教授選への「不当な介入」によって実際にどんな人がどのようにして選ばれたのか、各方面の関係者に話を聞いた。まずは、“福大は福大卒で“をモットーにしてきた朔教授のこと、「選考委員会」で福大出身の候補者に“下駄を履かせる“等の優遇措置でも施すのかと尋ねてみた。これについて、ある教授は次のようにいう。

 「それはありません。ただ、研究業績・臨床力・教育実績の3指標で、福大出身者がほかの候補者と並ぶ時は、福大出身者を採用します。また、その時どきの医学科の状況──臨床力を強化したいとか、どこどこの領域をカバーする人材が足りないとか──によって、たとえば業績などが多少見劣りしても、福大卒が選ばれることもあります。」(C氏)

 ほかの教授たちの話も同様であった。それは理にかなっており、別に悪いことではないではないかと指摘すると、みな「問題はそこではない」という。ではかれはどんな「問題行動」におよんできたというのか。

 「公募が始まると、他大学医学部からこれぞという人材が候補者として続々推薦されてきます。とくに、地域の医療を協働して担う関係を築いてきた九大医学部からは、研究・臨床・教育のあらゆる面で卓越した、極めて優秀な人が推薦されてくることも多い。朔医学部長は、息のかかった選考委員たちとともに、そういう人をこそ第一次選考で、つまり書類審査の段階で真っ先に落とすんです。」(F氏ほか多数)

 要は、自分の意中の候補者が最終的に選ばれるよう、密室審議のうちに強力なライバルをあらかじめ排除しておくというわけだ。だが、それほどの実力者ならば、狭い医学界のこと、他の教授たちから不審の声が挙がるだろうに。

 「教授選考が進んでいる最中に、『朔派』と呼ばれる人たちが、その候補者に関するネガキャンを張ります。あの候補にはこうこうこういう噂がある、われらが医学部の教授になるにふさわしくない、とかですね。些細なことを針小棒大にいうこともあれば、事実無根のデマだったりもします。」(B氏ほか多数)

 つまりは「先輩パワハラ」でいうことをきかされた面々が、朔医学部長の“ご判断“に正当性をまとわせるための“世論操作“をするのである。ターゲットになった候補者は気の毒に、“風評被害“の憂き目に遭うが、朔医学部長にとっては知ったことではないのだろう。そうやってすんなり福大出身者が選ばれれば、その人は(好むと好まざるとにかかわらず)「先輩パワハラ」構造に組み込まれ、医学部はますますかれの意のままになろうから。しかるに、教授に選ばれる候補者は福大出身者だけではない。

 「優秀な候補者をあらゆる手を使って排除するのは、自分の後輩を入れたいということもあるでしょうが、そこはやっぱり、あまりに優秀で影響力のある人材が入ってくると、ゆくゆくは自分の地位を脅かす存在になりかねませんからね。それが九大出身者ならなおさらなんじゃないですか?ご本人は九大医学部にはいろいろ含むところもあるようですし…。」(E氏)

 己れの権力確立のための手駒になり得る者で医学部内を固めるだけでなく、脅威の芽すら徹底的に摘んでいったというわけだ。ウリにしてきた“優秀な福大卒を福大医学部のために“という観点すら、ここには不在である。関係者たちの数々の証言のなかで象徴的だったのは、2人の福大出身者が候補者に上った某講座の教授選である。臨床力が非常に高いともっぱらの評判だった1人が書類審査で落とされ、もう1人が「業績数が多い」という理由で採用された。そしてそれは、朔学長の業績数大幅水増し疑惑を報じた前連載記事にも何度か登場した、かれの“愛弟子“氏だった…。

 「こんなことを7年にもわたってやられ続けたために、福大医学部の運営はすっかり歪んでしまいました。おかげで福大医学部は地域医学界で信用をなくし、スタッフたちは互いに対する疑心暗鬼に取り憑かれて、モチベーションは下がる一方でした。私たちはかれが学長選挙に出て勝利するための踏み台にされたのです。」(A氏)

 本連載冒頭にて我々は、朔氏が学生時代に医学部総代として壇上に上り、当時の学長から学位記を受け取りながら、“必ずや将来自分が学長になる“と心に誓ったという本人の演説を紹介した。良識ある人は、学長とは長い年月を豊かな学識の獲得と公正なアカデミアの擁護と顕彰に捧げた学究の徒が、その功績ゆえに周囲に推され就任するポストであると考える。ところが朔氏にとっては“学長になること“そのものが目的であり、その目的達成のために後輩や学内外の研究者仲間を犠牲にしてきたようだ。実際かれのエゴイスティックな振る舞いが組織にどれほどの破壊力をふるったか、次稿で具体的に見ていくことにしよう。

(つづく)

【特別取材班】

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(速報)

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