立民を野党共闘から除外する
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「新・野党共闘=真・野党共闘の構築が最重要テーマになる」と訴えた8月27日付の記事を紹介する。
日本政治の停滞が続く。
2009年に政権交代が実現した。
この政権を大切に育てていれば日本政治史はまったく異なるものになった。
鳩山内閣がなぜ破壊されたのか。
その原因を正確に捕捉することが必要だ。
鳩山内閣は日本政治の基本構造を変えようとした。
米国による支配、官僚による支配、大資本による支配
の構造を打破しようとした。
普天間の県外・国外移設方針を明示。
官僚天下り根絶を公約に掲げた。
企業団体献金の全面禁止提案も示した。
しかし、このことは、日本政治の既得権勢力一掃を意味する。
既得権勢力が猛反撃に出ることは自明だった。
敵は鳩山内閣内部に潜んでいた。
米国・官僚・大資本と通じる勢力だ。
この「隠れ利権複合体勢力」が鳩山内閣を内部から破壊した。
日本政治を支配してきた勢力が「米・官・業・政・電」の悪徳ペンタゴン、悪徳ピラミッドだった。
普天間の県外・国外移設方針を破壊したのは
岡田外相・北澤防衛相・前原沖縄担当相・平野官房長官の4名だった。
彼らが服従したのは鳩山首相ではなく米国=日米合同委員会だった。
菅直人、藤井裕久、渡部恒三、仙谷由人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎の各氏を「悪徳10人衆」と呼んでいる。
鳩山首相は日本政治の既得権勢力の全体に対峙して政策路線を設定した。
そのために既得権勢力の猛反撃、総攻撃を受けた。
民主党内部には既得権勢力と通じる者が多数存在した。
2010年2月にカート・キャンベル米国務次官補が来日して小沢一郎氏と会談した。
会談に先立ち、キャンベル氏は前原誠司氏と会談している。
前原氏は小沢氏を信用するなと発言するとともに、年末の沖縄知事選での伊波洋一氏選出のリスクを指摘した。
同時に前原氏がルース駐日大使に「米側がいかなる代替案も受け入れない場合、2010年5月連休後に現行案(辺野古移設案)を推進し、社民・国民新党との連立政権も解消する」方針を伝えたとウィキリークスが暴露した。
キャンベル次官補は訪日後にソウルを訪問し、ワシントンに公電を送信。
そのなかで「岡田克也外相と菅直人財務相と直接話し合うことの重要性を指摘」と伝えている。
鳩山内閣が既得権勢力によって破壊される様子を至近距離で観察した菅直人氏は既得権勢力側に寝返った。
菅直人氏は2010年4月に訪米し、アーリントン墓地で献花した。
米国の面接試験を受けるために訪米したと見られる。
鳩山首相は普天間の県外・国外移設方針を隠れ既得権勢力に破壊され、首相辞任に追い込まれた。
権力を強奪したのは既得権勢力側に寝返った菅直人氏である。
その後、権力ポストは野田佳彦氏に引き継がれた。
民主党政治は完全に米・官・業トライアングルに支配される状況に転向した。
敗戦後日本政治の通奏低音は「対米隷属」である。
1945年から1947年の2年間だけが例外期間。
この期間に驚異的スピードで日本民主化措置が断行された。
その集大成としての遺産が「日本国憲法」だ。
わずか2年間の成果として「日本国憲法」が遺されたことは、その後の「逆コース」を踏まえれば奇跡に近い偉業だった。
1947年以降の日本政治の基本に置かれた米国戦略が「反共政策」であり、その象徴が「国際勝共連合」である。
民主党を「水と油の混合体」と指摘し続けてきた。
旧民主党内に潜む「守旧勢力」=「対米隷属勢力」の基本戦略が「反共政策」である。
連合が正体をむき出しにして「反共政策」=「勝共政策」を前面に押し立てている。
これは自民党の「反共政策」=「勝共政策」と軌を一にするもの。
共通のベースになったのが「国際勝共連合」である。
日本政治刷新に向けての野党態勢再構築に際して、見落とすべきでないのがこの視点である。
昨年10月の衆院総選挙、本年7月の参院通常選挙で自公の与党勢力が大勝した。
その原因は必ずしも与党の側にない。
与党が勝利したのではなく野党が敗北した。
最大の原因は立憲民主党にある。
立憲民主党がなぜ大敗したのか。
原因は明白だ。
立憲民主党が野党共闘を否定したことにある。
当時代表職にあった枝野幸男氏は昨年10月の衆院総選挙期間中に次のように公言した。
「『野党共闘』というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。
あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う。」
共闘の対象は国民民主党と連合であり、共産党、社会民主党、れいわ新選組は共闘の対象ではないことを明言した。
※続きは8月27日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「立民を野党共闘から除外する」で。
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