基山町(佐賀県)では、耕作放棄地対策として2014年からエミューの飼育を開始。ノウハウの獲得により、現在では町内で交配から孵化まで行えるようになった。
鉄分が豊富で、高たんぱく低カロリーのエミューの肉は、町内の飲食店でカツ丼や串揚げとして提供されている。また、人の皮脂成分に近いとされていることから、ボディケアオイル『エミューオイル』など、ヘルスケア商品としても存在感を高めている。
エミューが地域の顔となりつつある基山町だが、イノシシによる作物被害に悩まされている側面もある。町では農作物を守るべく、猟友会の力をかりてイノシシの駆除を進めてきたが、駆除されたイノシシについても、エミューのように何か有効活用ができるのではないかと考えるように。
そして、エミューと駆除されたイノシシの2つを〝ダブルジビエ〟として活用することで町の活性化につなげる『基山ダブルジビエ活用プロジェクト』を発足。17年4月には「基山町ジビエ解体処理施設」をオープンさせている。
以降、駆除・飼育などを経て、食肉処理を施した後に一般消費者・観光客向けに精肉の提供を行うほか、町内飲食店などと連携した新しいメニューの開発など、地域産業振興と観光振興の両面から基山町の地域活性化を進めている。

右:基山町 松田一也町長
こうした町の取り組みに賛同する企業も徐々に増えており、17年度(株)共立電照(宮崎、寄附申出金額30万円)、18年度(株)ミズ(佐賀)、19年度(株)丸宗ミート(福岡、同20万円)、20年度廣田商事(株)(福岡、同25万円)、21年度(株)丸嘉(東京、同10万円)、22年度(株)サイバーレコード(熊本)が、それぞれ基山町のダブルジビエ活用プロジェクトを支援している。
【代 源太朗】
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