2024年12月22日( 日 )

創造は探究心から生まれてくるもの 社員の才能を磨き新たな挑戦を!

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

クレアプランニング(株)

 今年4月12日、油山市民の森開園50周年を機に福岡市が実施する「油山市民の森等リニューアル事業」の事業者公募において、九州旅客鉄道(株)を代表とする企業グループとともに優先交渉権者に選定されたクレアプランニング(株)。内装工事という枠を飛び越え、さまざまな「空間プロデュース」を行い活躍の場を広げる同社の強みとは?その背景に迫る。

「油山市民の森」リニューアル事業 全体イメージ
「油山市民の森」リニューアル事業 全体イメージ

アイディアをカタチに 空間プロデュースのプロ集団

 商業施設からホテルや飲食店などの店舗、文化施設、医療施設、オフィスまで幅広い建物の空間プロデュースを手がけているクレアプランニング(株)。近年では、有名企業のブランド戦略を牽引するクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏の個展や、飲食施設「大濠テラス 八女茶と日本庭園と。」など、福岡のみならず全国で活躍をみせている。

 そんな同社も創業当時は内装工事の施工に専念し、技術力の高さで勝負するいわゆる内装工事業者だった。転機は2011年。中田泰平氏が代表取締役に就任し、現体制になってからだ。現会長・中田泰之氏が培ってきた施工技術や信念を大切に残しながら企画・デザインを含んだ提案を行うようになり、次第に施工専門から企画・デザインを前面に打ち出した空間プロデュース事業へと転換を図ってきた。泰平氏は仕事を「受ける」時代から「取りに行く」時代への変化をいち早くキャッチし、空間そのものを「プロデュースする」という考え方を実現させていった。

 顧客の「空間」に関するさまざまな悩みをあらゆる角度から解決してきた結果、空間プロデュースのエキスパートとして存在感を示してきた同社。現在は営業部・制作部・管理部を備えた福岡本社(福岡市中央区)のほか、東京営業所(東京都港区)、大川テクニカルセンター(福岡県大川市)で構成され、空間プロデュース事業、商業施設・店舗開発事業、家具・什器製造販売事業を主に手がけている。

内装業の垣根を越え、さまざまな空間を創出

 付加価値を生み出すために必要なこと。それは自分たちが「場づくりの達人」であることを知ってもらうことにある。そのためには、同社が「魅力的な場」を開発・運営しているという実績が必要不可欠である。新しい空間づくりの企画・提案は相応のリスクがともなう。「そうしたリスクを社員たちが認識し、“ジブンゴト化”することで従来の領域を超えた「良い企画」が生まれ、より顧客側にメリットのある提案ができるのです」と泰平氏は笑顔で語る。

 福岡市のPFI事業で携わった「大濠テラス 八女茶と日本庭園と。」では、隣接エリアに八女茶をフィーチャーした飲食店と着物のレンタル店を誘致し、大濠公園の池や緑の景観を眺めながらくつろげる新しい時間の過ごし方を提案。大濠公園に新たな癒しの空間をつくり出した。

 また、21年2月に国立新美術館で行われた「佐藤可士和展」では同社の製作スタッフのきめ細やかな仕事が評価され、大成功に収めた。「これを機にさまざまな有名アーティストからご依頼を受けるようになりました。当社には、日本を代表する家具産地である大川市に木工什器製作工場があります。我々を取り巻く環境に応じながら、「木工とアート」の融合を図るプロジェクトも進めている最中です」(泰平氏)。

佐藤可士和展(国立美術館/2021年2月)
佐藤可士和展(国立美術館/2021年2月)

 さらに、「油山市民の森等リニューアル事業」の優先交渉権者に選定されたことにも注目したい。同事業の基本方針はSDGs時代の都市に求められる豊かな自然と文化を兼ね備えたウェルビーイングな「循環型環境都市 福岡」の実現を目指し、福岡市民にとって身近な自然である油山において、事業ビジョン「人と都市と自然の共生」のもと、5つのキーワード(「暮らす」「遊ぶ」「働く」「学ぶ」「整う」)に沿った取り組みを実施することだ。このコンセプトを基に、同社がどのような特色(イロ)を出し、空間を創出するのか、非常に興味深いところだ。

仕事を楽しみながら個々の才能を伸ばす

 今後は、さらにデザインや企画といったソフト部分の割合を増やし、内装工事とのバランスをとりながら利益率を高めることを目標にする同社。泰平氏は「幅広いジャンルで受注を取ることで社員の心に余裕をもたせたいと考えています。さまざまな人・物・出来事に触れることで、社員たちのアイディアやセンスは磨かれていきます。当社の人材採用の際に大切にしていることは、『感性と情熱にあふれる方』です。好きなコトで新たなモノを一緒に作っていける、そんな社員たちを募集しています」というように、同社は「好きこそモノの上手なれ」を体現しているといえる。

 刺激もなく、やりがいを感じない職場ではモチベーションは上がらないし保つことも難しい。しかし、仕事に面白みやビジョンが加われば充実した生活を送ることができる。楽しみながら成長できる職場だからこそ、同社は進化し続けることができるのだろう。

【藤谷 慎吾】


クレアプランニング(株)
代 表:中田 泰平 
所在地:福岡市中央区天神4-7-11クレアビル
設 立:1981年12月 
資本金:5,000万円
TEL:092-724-1115 
URL:https://www.crea-p.co.jp

関連キーワード

関連記事