アビスパ、好位置。ボール支配を高め躍進せよ!
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昇格射程圏につける
サッカーJ2のアビスパ福岡は、2015明治安田生命J2リーグ第20節の終了時点(2015年6月29日 現在)で、9勝6敗5分 勝ち点32の第7位(22クラブ中)と上位をキープしている。さまざまな見方があり断定することはできないが、現況J1昇格の射程圏内に位置しており、健闘していると言えるのではないだろうか。井原正巳監督、コーチ、選手、クラブスタッフ、そしてサポーターは、「まだまだこれからもっと躍進する!」という意気込みであろう。
アビスパの20試合のデータを見ると、得点23、失点が22で得失点差1。1試合の平均得点は1.15、失点1.1。参考にリーグ首位の大宮アルディージャは、得点32、失点11で得失点差21。1試合平均の得点は1.6、失点0.55となっている。ちなみにアビスパより上位の6クラブのうち大宮を含めた5クラブが、1試合の平均失点が0点台と優れたディフェンス力を発揮していることが分かる。
上位に食い込んでいくためには、ディフェンス力の一層の強化が重要なファクターとなってくる。井原監督は、世界に名を馳せたディフェンダーであった。ディフェンスのスペシャリストとして、戦略・戦術、パフォーマンスにおいてレベルアップの準備をし、フィールドに落とし込んでいくであろう。失点率を下げることが上位と戦うカギ
当然ながら守るだけでは、サッカーは勝てない。ゴールしてこそディフェンスが生かされるのである。得点力が決して劣っている訳ではないものの、J1自動昇格を狙うなら1位大宮の1試合平均1.6、2位のジュピロ磐田の1.65は最低必要になってくる。もちろん、それ以上の1試合平均得点を上げることが最良である。だが、そう簡単に得点を取れるものではない。その互いのゴール前でのしのぎ合いが、プロサッカーの醍醐味である。1点のために日々血のにじむような鍛錬を続けているのだ。
今、カナダで開催されているサッカーの女子ワールドカップで、我が国の代表のなでしこジャパンがベスト4に名乗りを上げている。すばらしいニュースで、前回に続いて是非とも最高の成果を上げていただきたい。そのなでしこは、毎試合、大量に点数を獲得している訳ではない。得点を見ると僅差の勝利である。一方で、試合の内容を考察すると、なでしこが相手チームを圧倒している感があった。ボールポゼッション(支配)を意識したサッカーといえよう。スタッツを分析していないので、数字上の話は不詳だが、なでしこは素早いワンタッチでのパスを繰り返し、相手チームの選手の体力を消耗させている。それは相手選手の時間ごとのパフォーマンスや表情で理解できる。この点で圧倒したことで、より有利な攻撃の状況を作り出せていると考えられる。
僭越ながら持論を展開させていただくが、戦い方のオプションの1つとしてアビスパも積極的に素早いパスワークを行い、ボールポゼッションを高める意識を強めてみてはいかがだろうか。なでしこの戦い方からも、それが失点を下げ、効率的に得点を活かすことにつながることが分かる。ポゼッションを高めることができれば、飛躍をさらに強く確信することができるだろう。次節第21節(7月4日東京ヴェルディ戦・アウェー)でリーグは折り返し。後半戦に突入する。アビスパの熱い戦いから、目が離せない。
【河原 清明】
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