太平水産、第三者破産により倒産(2)
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(有)太平水産
稚魚から成魚までの魚の成長に応じて、異なる名前で呼ばれるものを出世魚(しゅっせうお)といい、縁起のよい魚としてめでたい席で好んで使われる。地方によって呼び名は異なるが、ブリも出世魚で、稚魚のときはモジャコ、1~2年でハマチと呼ばれ、最終的にはブリとなる。
ブリやハマチの養殖は、漁師が近海から捕ってきたモジャコを海中のケースで育成するもの。ブリやハマチとして出荷されるまで、ひたすら餌を与え続けて育てる地道な作業なのである。
鹿児島県では、1990年頃から養殖業が広く行われ、養殖カンパチの生産量は日本一となっている。錦江湾は内海だが、年間を通して暖かく、黒潮や河川から流れ込む淡水の影響で流れがあり酸素を多く含む海水となる。また深海湾であり沿岸近くの養殖場でも非常に深い水深帯に設置され、台風をはじめとした自然災害の影響が少なく養殖に適した環境といえる。
同社が所属する西桜島漁協共同組合は、「かごしまのさかな」ブランド認定を受けた養殖の「桜島ぶり」「桜島かんぱち」を活け締めし、冷凍で関東・関西の市場に出荷している。穀物を混ぜた飼料の研究開発も進み、色味が良く臭みが抑えられ味も評判だ。だが、近年は魚価の低迷により売上が伸び悩んだ。「2008年に価格暴落の日があった。これがなければ今回の件(倒産)はなかったかもしれない」(地元漁業関係者)。これは同社のみならず全国的なことではあるが、2010年8月から13年2月までの約2年4カ月、価格は低空飛行を続ける。10年8月に1キロ約1,000円で取引されていたブリは、その期間は1キロ600円前後で推移しており、景気低迷の煽りを受けていく。
(つづく)
【特別取材班】<COMPANY INFORMATION>
代 表:友野 千奈美
所在地:鹿児島市桜島赤生原町177-2
資本金:500万円
売上高:(14/5)5億6,200万円関連キーワード
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