【自民党】薗浦健太郎議員、パーティー券過少記載で議員辞職
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自民党の薗浦健太郎衆議院議員は、自身の政治資金パーティーの収入を少なく記載していた問題で、21日午後、秘書を通じて細田博之衆議院議長宛てに辞職願を提出。自民党も離党した。
薗浦氏は、元読売新聞記者で、千葉支局や政治部などを担当した。2005年、千葉5区から出馬し、初当選。これまで2016年の第3次安倍再改造内閣で外務副大臣、同17年の第3次安倍改造内閣で首相補佐官を歴任。現在は、衆議院法務委員会筆頭理事を務めていた。05年の初当選後、稲田朋美元防衛大臣らと保守系勉強会「伝統と創造の会」を結成。幹事長を務めるなど自民党右派の1人としても知られる。派閥は、麻生派(志公会)に所属し、麻生太郎副総裁の最側近といわれる。現在、麻生氏は、自民党の重鎮として岸田文雄首相を支えている。薗浦氏の辞職は、自民党内の主流派の一角を占める麻生派の勢いをそぐ可能性がある。薗浦氏は、麻生氏が、1998年に旧宏池会を退会した当時から麻生氏に近かった森英介元法相に誘われるかたちで政界入りしたという経緯がある。
「議員の出処進退は議員自身が適切に判断することだ」と茂木敏充自民党幹事長は、20日の記者会見で述べたが、薗浦氏の辞職が、政権へのダメージになるのは避けられない。
東京地検特捜部は、薗浦氏が代表を務める政治団体などの政治資金収支報告書に、複数の政治資金パーティーの収入合わせて、約4,000万円が記載されていない疑惑があり、任意で事情聴取していた。過少記載の疑いがもたれているのは、薗浦氏の資金管理団体「新時代政経研究会」と、関連政治団体「そのうら健太郎後援会」の2団体。
団体の会計責任者を務めていた公設第1秘書は、特捜部の事情聴取に対し、約4,000万におよぶ収入を記載しなかったことを認めたうえで、「報告書に収入を記載しないことは事前に薗浦議員にも報告していた」などの説明をしていたという。東京地検特捜部は、近日、公設第1秘書や元政策秘書との共謀を認定して、薗浦氏を政治資金規正法違反で略式起訴する方向。
しかし、薗浦氏は先月30日時点では、ずさんな会計処理だったと認めながらも「いわゆる過少申告という認識は私にはなかったし、指示をしたこともない」と関与を否定していた。
「政治資金について誤った収支報告書を提出してしまったことは、国民の政治不信を招きかねないものであり、誠に申し訳なく、心より反省している。」
21日午後、薗浦氏はそのようなコメントを発表したが、閣僚のドミノ辞職が相次いだうえに、増税など国民の怒りは高まるばかりだ。
薗浦氏は、子どもの貧困対策推進議員連盟の事務局長を務め、13年に国会に「子どもの貧困対策の推進に関する法律案」を提出した1人であるが、政治とカネの問題での議員辞職は、未来の日本を担う子どもたちに失望を与えるものでしかない。
薗浦氏の辞職にともない千葉5区の補欠選挙は、公職選挙法により、すでに欠員が出ている和歌山1区、山口4区と同じ来年4月下旬に実施されることとなる。
【近藤 将勝】
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