2024年12月22日( 日 )

【2023統一地方選】太宰府市も県議選波乱の展開へ

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太宰府市 イメージ「(自民党)県連が推す候補はやりませんから。」

 こう語ったのは、現職の太宰府市議会議員。原田義昭元環境大臣の元秘書で市議会議長も務めた人物だ。22日の筑紫野市長選挙で当選した平井一三氏の報告会において当社記者に語った。事実上の宣戦布告である。

 福岡県議の太宰府市選挙区の定数は、条例改正でそれまでの1議席から2議席へと増えた。社民党所属の現職と自民党県連推薦の新人が出る見通しだが、地元関係者によると、そこに割って入ろうというのが前回県議選で自民党県連の公認候補者だったNが支援する女性。その女性に、前出の太宰府市議や原田元大臣も応援につくとなれば、太宰府市選挙区においても保守分裂となる。

 筑紫野市長選で楠田大蔵太宰府市長は、平井氏の応援に回り、勝利の万歳まで行った。長年、太宰府市の懸案だった中学校における学校給食の問題も23年度から民間委託することが決まった。就任当初と異なり、議会との関係も保守系会派や公明党とうまくやっている。一方で独善的との声も聞こえてくる。楠田氏は、元民主党衆議院議員だが、今なお国政への転出の意欲は捨てていないという。県議選では3人のうちのいずれの応援に回るか注目されている。

 現職の県議は、元太宰府市議会議員で市議選では3期トップ当選だった。2015年、県議会議員に初当選して、現在2期目である。実父は、元福岡県庁職員で、自治労福岡県本部委員長を経て、日本社会党の参議院議員を2期務めた。現職は、父親の支持層を受け継いでおり、リベラルな気風をもつ地元の支持は厚い。教職員組合を中心に組織の応援も力が入っている。

 前回選挙で、自民党はNを擁立したが、現職に5千票以上の差をつけられて落選した。今回2議席となったこともあり、うまくいけば保守・リベラルですみ分けできると考えていたところに、3番手の候補が出てくるとなると、県議選の行方はどうなるか。まさに一寸先は闇である。

【近藤 将勝】

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