別次元の世界へ躍進した企業とは?代表的な企業に見る4つの条件(後)
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社会貢献を両立できる再春館製薬所
福岡では健食通販でしこたま財を成した経営者は稀有ではない。100億円を貯め込んだばかりでなく300億円、400億円握った経営者の存在も見かける。しかし、残念ながら福岡では成金だけに終始している経営者ばかりである。「人さまの健康不安につけ込んだ商品がたまたまヒットして数百億円溜まっただけ」に過ぎないのだ。「しこたま貯めた資金で社会貢献事業とか新事業へ投資すれば良いのに」と思うのは貧乏人の僻(ひが)みか!!
(株)再春館製薬所(本社:熊本県上益城郡益城町、西川通子代表会長)のテレビ広告を見たことがない人はいないであろう。1,000名を超える従業員を雇用してすばらしい業績を上げている。その蓄えた資金を病院事業へ投資するし、競技としてゲームの腕を競い合う新分野の「eスポーツ」事業にもチャレンジしている。この事業姿勢には感服する。また長年、バトミントンチームを育成してきたが、いまや世界トップクラスの選手たちを輩出している。福岡の同業成金経営者たちと比較すると西川通子会長は別次元の使命感溢れる経営者と評価できる。
請負から家主へ様変わりするゼネコン
ゼネコンの仕事とは施主から受注して工事を完了させて対価を得ることである。別次元企業の条件(2)に当てはまるのは、建設業界では上村建設(株)(本社:福岡市博多区、上村秀敏代表)が筆頭である。同社の場合、条件(1)の財務基準をはるかに超えて満たしている。先達て弊誌で上村建設の金額面での企業価値を査定したが、上場企業のタマホーム(株)を圧倒していた。
ところが、この2~3年で様相が変わってきた。上村建設および関連グループ企業で自社物件を取得し始めたのである。要は家主業へ注力し始めたのだ。この上村建設の足元ぐらいの水準にたどりついたのが、(株)北洋建設と照栄建設(株)だ。北洋建設(本社:福岡市博多区、オーナーは脇山章治氏)の場合は、関連企業(株)ダブリュコーポレーションで自社物件取得の数を増やしている。これに続くのが照栄建設(本社:福岡市南区、冨永一幹代表)だ。条件(2)の本業を控えめにしても企業を存続させるための布石が家主業への注力なのである。
飛躍するデベロッパー先駆者は新栄住宅
マンション業者の宿命は、常にマンションを仕込み、販売し、継続していかなければアウトになるということだ。土地を仕込まないと企業存亡に直面することになる。このレベルを超えて「マンションを供給しなくとも企業存続できる領域」にある別次元企業に変貌したのが新栄住宅(株)(本社:福岡市中央区、木庭律明代表)だ。
同社は、別次元企業の条件(1)(財務基準)をはるかに超えているだけでなく、条件(2)もクリアしている。マンション販売を手控えても企業が永続する手立てはすでに完了しているのだ。管理会社、家主業と打つ手には手抜かりはないのである。ここまで企業基盤を岩盤並みに強固にしてしまえば上場する意味はないだろう。
注目すべきは、(株)えんホールデイングス(本社:福岡市中央区、原田透代表)である。ワンルームマンションの供給に特化してきた。『1万戸管理』を掲げて快走してきたのだ。売り出しエリアは中央区・博多区に特化してきた。1万戸管理というロットを押さえると無理してワンルーム販売に奔走する必要もない(裏を返していえば販売では終始トントンで売ってロットを増やす)。17年2月に完成した大型物件「エンクレスト博多STYLE」(332戸)は自社保有とした。1万人居住者向けのさまざまなビジネスの可能性が膨れてくる。これは楽しみな事業展開になるであろう。
西武ハウス(株)(本社:福岡市中央区、豊福清代表)は別次元の世界へ飛び込もうとしている段階だ。豊福社長も真剣に将来に向けた事業計画を練り上げていると耳にした。現在、香椎浜での大型物件の売り出しも検討しているようだ。最終事業では一挙580戸前後の販売規模の事業が待ち受けている。この販売がスムーズにいけば同社も別次元への飛躍企業への仲間入りをはたすであろう。そして、(株)コーセーアールイーも別次元へ飛翔する仲間である。
(了)
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