香港の金融家が語る福岡・九州の魅力とは
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(株)データ・マックスの児玉直会長は19日、福岡市を訪れた香港の金融機関・BM Intelligence グループの盧華威(ローウェル・ロー)会長(香港公認会計士)と意見交換を行った。同グループは香港で1995年に設立され、中国各地やシンガポールなどにオフィスを構え、コンサルティングなどのサービスを提供している。
盧会長は福岡市の不動産市場について問われ、「福岡の不動産価格は香港や東京などと比べて低廉であるが、今後の成長の可能性を踏まえると、伸び幅もその分大きく、将来非常に有望だ」と高く評価する。
海外で知名度が高い日本の主要な地域としては東京、大阪、北海道があり、従来、福岡の知名度は相対的に高くなかったが、福岡を数回訪れて「土地が限られた香港と比べて広く、自然を身近に感じられる」とその魅力を実感している。
また、盧会長は香港の企業家・投資家にとって、「福岡は香港・中国から近く、不動産などに投資し永住権を取得することで、さらに事業を展開してきたいと思える魅力的な場所」だと話している。香港の事業環境は経済面での自由度が高いものの、政治体制の異なる中国の下にあることから、考慮すべき政治的リスクが多い。そこで、日本を含む諸外国に分散して投資を行う傾向がみられるが、海外での生活・事業拠点が安定すれば、より永続的な事業を展開しやすくなると考えているのだ。
具体的な事業として挙げたものの1つが農畜産物だ。とくに福岡・九州の農畜産物に注目しており、たとえば鹿児島の和牛などは香港・中国大陸から注目を集めているという。一方で、日本の各地の農家・畜産農家のなかには経営状態が厳しく、高齢化が進み海外へ進出する余裕がないケースもある。そこで盧会長は香港の資本が投資を行い、現地の農業・畜産業を活性化させるとともに、香港・中国向けに生産・輸出するビジョンを頭に描いている。
盧会長は何度も日本を訪れ、日本には100年以上の社歴を有する老舗企業やそのブランドが多くあることに大きな魅力を感じている。今回の訪日でも、和歌山県で梅干し生産企業、北海道でウィスキー生産企業を視察してきた。
盧会長は同グループが国際金融センター・香港の強みをいかして、福岡・九州の事業者を香港に招き、バイヤーとのビジネスマッチングイベントを実施したいと熱く語る。生産者と海外の市場との仲介に関して、そうした役割は政府あるいはジェトロ、九州経済連合会など関連の経済機関・団体、あるいは商社などが間に入って行うケースが一般的であるが、盧会長のビジョンは海外の金融機関が主導するという点で興味深い取り組みとなりそうだ。
【茅野 雅弘】
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