9・11事件:不都合な真実は解明されないまま
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。
今回は、6月23日付の記事を紹介する。思い起こせば、2001年9月11日、世界が震撼とさせられました。ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)が航空機をハイジャックしたテロ集団によって激突、倒壊するという前代未聞の大事件が発生。
同じころ、首都ワシントンの近郊にある国防総省(ペンタゴン)にもハイジャックされた飛行機が激突したものです。この事件で、親しいアメリカ人の友人をペンタゴンシティで失いました。いまだに、忘れられない出来事です。
あれから22年の歳月が過ぎようとしています。しかし、今もあの事件は終わっていないのです。なぜなら、犯人を含め、その動機も背後関係も明らかにされていないからです。
日本人を含め3,000人以上が犠牲となりました。実は、アメリカ政府の公式見解に満足できず、事件の真相究明を求める活動は続いています。たとえば、「国際9・11真相究明センター」はその代表的な存在です。
2021年8月、英国人犠牲者の家族が2500ページの訴状を準備し英国政府を提訴しました。英国政府を動かし、アメリカ政府に真相を明らかにするよう迫っています。そうした活動の一環として、2023年9月にはドキュメンタリー映画「平和、戦争、9・11」が公開される予定です。
日本では徐々に忘れられようとしている事件。とはいえ、WTC設計関係者の証言によれば、「当時最大の航空機が衝突しても倒壊しない」(ミノル・ヤマサキ事務所)設計となっていたとのこと。それがあっという間に倒壊したのは、今もって謎でしかありません。
しかも、航空機が追突していない7号棟が倒壊したのは不可思議過ぎます。後に判明したのですが、7号棟の所有者であったシルバ-スタイン氏は事件発生の少し前に保険をかけており、結果的に大儲けすることになったというではありませんか。
さらに、日本との関連でいえば、WTCには当時最新鋭の特殊鋼が使用されており、その製造元は新日本製鉄で、その性能や品質は保証付きでした。そのため、倒壊後の鉄骨の瓦礫はすべて中国とインドが輸入したほど。
とくに、その直後に開催された北京五輪のメインスタジアムに再利用され、中国における初のオリンピック成功には欠かせない素材を提供したと言っても過言ではありません。そもそも、実行犯と目されたサウジアラビア人の奇妙な動きは、当時から不信の目で見られていました。
とくに主犯格の2人のサウジ人はCIAから資金提供を受けていたことが判明しています。飛行訓練を受けている怪しいサウジ人の行動はCIAとFBIの監視の網に引っかかっていました。
ところが、FBIとCIAの反目があり、事件を防ぐことにはなりませんでした。それどころか、ブッシュ政権はサウジアラビアと裏取引を行ったのではないかとさえ言われたものです。
というのも、9・11事件発生当日のブッシュ大統領やライス大統領補佐官、パウウェル国務長官らは、事前に情報を把握していたかのような言動を繰り返していました。NEWSWEEK誌が後に詳しく伝えましたが、ブッシュ政権は「隠ぺい工作」に走った疑いが拭えないのです。
そのためか、サウジ人の関与が濃厚視されるなか、後に首謀者と断定されたウサマ・ビン・ラディンと親しく、当時アメリカに滞在していたサウジアラビアの大富豪たちのために帰国用の特別機を手配したのがブッシュ政権でした。その上、WTC倒壊現場で「テロとの戦争」を宣言したブッシュ大統領の手回しの良さにも驚きました。
その後、アメリカ主導で始まった「終わりなきテロとの戦い」によって、アメリカの軍需産業は大儲けすることになったのです。今日では「グレート・リセット」のボタンを押した「9・11」とまでいわれています。なぜなら、この事件をきかっけに、「テロとの戦い」の名目で一挙に監視社会が広がったからです。その上、アフガニスタンを始め、世界各地で「ポスト9・11」の闘いが巻き起こり、450万人が殺害されることになりました。
一事が万事。あまりにも不可解な世界情勢をもたらす起爆剤となったのが「9・11事件」です。
次号「第347回」もどうぞお楽しみに!
著者:浜田和幸
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