2024年12月04日( 水 )

福岡市 マンション長寿命化に向けた固定資産減額制度を開始

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福岡市 イメージ    福岡市は29日から、市内にある大規模修繕などが行われた分譲マンションに対する固定資産税の減額措置をスタートする。長寿命化工事を過去1回以上に実施しているものなどが対象で、翌年の固定資産税額について2分の1を減額するという内容。さらに、長期修繕計画の作成や見直しについて補助金も給付する。

 固定資産税の減額措置は国が新たに設けた制度で、2年間(4月1日~25年3月31日)の特例措置。減額割合は、6分の1~2分の1の範囲内とされているが、福岡市では2分の1とした。

 減額の範囲は1戸あたり住宅部分の床面積(専有床面積にエントランスなど共用部分を案分した面積)が100m2以下の場合で、それを超える場合は100m2に相当する部分の固定資産税額の2分の1を減額する。

 長寿命化は屋根防水工事、床防水、外壁塗装の全工事の実施を意味する。減額の条件は以下の通り。

(1)戸数が 10 戸以上であること
(2)築後 20 年以上が経過していること
(3)過去に長寿命化工事を実施していること
(4)2回目以降の長寿命化工事を今年4月1日~25年3月31日の間に完了していること
(5)将来の長寿命化工事の実施に必要な積立金の確保を計画(管理計画認定制度の認定を受けている)があること など

 また、市独自の取り組みとして、将来の長寿命化工事の実施に必要な積立金の確保を目的とした長期修繕計画の作成や見直しに係る費用の2分の1(上限30万円)を補助する制度も新たに設けた。

 対象となるのは、管理計画認定制度の基準に適合する長期修繕計画を作成することなどで、対象経費は計画作成に要する経費などとなっている。

 このほか、管理計画の認定取得を促進するため、認定申請に係る組合活動の経費の2分の1(上限5万5,000円)を補助するマンション管理計画認定申請促進事業補助金、マンション管理士派遣、管理規約適正性診断、高経年マンション運営支援、マンション管理士などによる無料相談といった、従来からの取り組みも継続する。

 問い合わせは、マンション管理計画認定制度やその他の支援制度については住宅都市局住宅計画課(TEL:092-711-4598)、マンションに対する減額措置に関しては各区役所課税課まで。申請手続きの方法など、減額措置の詳細については福岡市のホームページで確認できる。

 建物の長寿命化を図る大規模修繕工事を行わない老朽化した分譲マンションが増え、その結果、外壁剥離や廃墟化することにより、その周囲に暮らす人々の暮らしに悪影響をおよぼすといったケースが社会問題化している。

 大規模な改修工事が行われないのは、居住者の高齢化や修繕費の高騰の影響などとされており、国や自治体では工事実施のためのさまざまな支援策を用意し、対策を進めようとしている。

【田中 直輝】

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