【福岡商工会議所】福岡城天守復元など、まちづくりへの15提言を発表
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福岡商工会議所(谷川浩道会頭)は17日、福岡・博多の歴史文化を活かしたまちづくりに関する15の提言をまとめて発表した。
今回の提言をまとめた理由について、福岡市は地方都市でも内外から高い評価を得ている一方、古代から大陸との交流の窓口としての豊かな歴史と文化がありながら、その歴史的・文化的資産をまちづくりに十分に活かしきれていないとして、市民自らの手で貴重な資産を活かしたまちづくりを行っていくために提言をまとめたとしている。
提言の一部は10日に、谷川会頭から高島宗一郎福岡市長へも提出されている。
座長インタビュー
今回の提言を取りまとめた「歴史・文化を活かししたまちづくり懇談会」の座長・川原正孝氏((株)ふくや代表取締役会長、福岡商工会議所副会頭)に、提言をまとめるにあたっての福岡・博多に対する熱い想いを語っていただいた。インタビュー動画をご覧いただきたい。
注目の提言
提言は15項目、大きく分けて4つのトピックに分かれているが、とくに注目される提言をいくつか挙げてみる。
【提言6】ご当地ナンバー「博多」の導入を
現在福岡県内で登録された自動車のナンバープレートの地名表示は、運輸支局と登録事務所ごとに「福岡」「北九州」「筑豊」「久留米」の4種類がある。福岡市全体は福岡運輸支局の管轄になるため「福岡」が表示される。ここにご当地ナンバーとして「博多」を導入してほしいという提言だ。ご当地ナンバーの区分けは原則的に市町村(東京23区)より大きな行政単位ごととなっているため、福岡市内の区によって福岡と博多にナンバーを分けることはハードルが高いと思われるが、デザインも含めて盛り上がりを期待したい。
そして川原氏が、すぐにでも取り掛かりたい提言として挙げているのは次の3つだ。
【提言7】「鴻臚館」跡の早急な整備・活用を
【提言8】「福岡城」天守復元の早急な検討を
【提言9】冷泉小学校跡地を「中世・博多」の発信拠点へこれらはいずれも国の史跡や遺跡の利活用に当たるため、法的な規制への対応や行政との調整など長期的な視野で実現に向けた活動が必要となる。それらを踏まえて早急に検討に取り掛かりたいとしている。
川原座長は実現に向けた意気込みを、福岡城の天守復元を例に挙げて次のように語った。
「福岡城天守の復元については現状では大きなハードルがあります。ですから、天守復元のために最初からすべて国の資金をあてにするという姿勢ではうまくいかないと思います。まず福岡の地元企業が中心になって資金を集める。そのような地元のやる気を見せてこそ、国も動きますし、説得する力にもなります」
福岡城天守「復元」の課題と提言の意味
川原座長が語るように、福岡城天守の復元には法令上のハードルがある。それは文化財保護法と文化庁が定める復元基準である。よって、法令に従って業務を行う自治体の主導では、手も足も出ない問題となっている。しかし、福岡城天守の復元は、単に史跡としての保護問題だけでなく、福岡という大都市の都市景観と公共空間の利活用の問題でもある。それを決める権利は、第一にそこで暮らす市民にあるはずだ。
今回の福岡商工会議所の提言は、市民が自分たちの街の姿を自ら決定するという、都市の自己実現の提言として受け止めたい。
【寺村朋輝】
法人名
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