【BIS論壇No.435】比・印ファッションショー
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NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
今回は1月30日の記事を紹介する。2023年は日本ASEAN(東南アジア諸国連合)連携50周年記念の年で、12月に日本での記念式典があった関係でASEAN首脳が訪日し、ASEAN関連の催しが都内で数多く開催された。BISでポスト中国の「ASEAN、インド研究会」の主査をお願いしている大島英雄BIS常務理事とこれらの会合に一緒に参加した。
12月17日に帝国ホテルで開催されたフィリピン大使館主催の会議には、訪日中のフィリピン・マルコス大統領夫妻も参加された。フィリピンは人口1億人を突破。アジアでは中国、インド、インドネシア、日本に次いで人口が多い。英語も通用する関係で、インドに次いでIT関係の専門家も多く、AI時代の日本にとっても地理的有利性から見ても、今後情報関連でもアジアにおける重要な国になるものと思われる。
マニラには日本、米国が主導するアジア開発銀行もあり、21世紀、アジアの時代にあって、地政、地経学的にも関係を強化すべき国だ。
フィリピンは今後IT/AI時代を迎え、さらなる経済関係の深化が望まれる。これらの経済・貿易関係強化に加え、マルコス大統領ご夫妻はとくに日本との観光、サービス、ソフトビジネス強化に熱心だ。今回の訪日でフィリピンのサトウキビの茎を活用した繊維を布地に使い、現地に進出の日本商社や百貨店と協力し、フィリピンファッションショーを行い、日本とのファッションビジネス拡大に熱意を示しておられた。
明けて本年1月29日、インド大使館で京都の友禅染をインドの伝統衣服サリーに活用しためずらしい「京友禅サリーファッションショー」が開催された。
参加者はほとんど女性で占められていた。驚いたことに、日本在住のインド女性だけでなく、参加した日本女性のほとんどもサリーを身にまとい参加していたことだ。これらの日本女性はインドを旅行し、インドの魅力にとりつかれ、インドを4回も5回も訪問しているとのことだった。
インドのヒンズー文化やアーユルヴェーダ、ヨガなどに興味を持った日本女性が増加していることが実感された。
近年、グローバル・サウスの盟主として躍進著しいインドは23年に旧宗主国の英国を抜きGDP(国民総生産)で世界第5位に浮上。経済停滞を続ける日本を2~3年で抜き去り、米国、中国、ドイツに次いで世界第4位の経済大国になるとみられている。すでに人口では23年中国を抜き、世界最大の人口大国となった。わが日本としては、アジアにおける親日国のインドとの経済、文化交流をさらに深め、IT/AI時代に躍進しつつあるアジアの未来の大国インドとの関係強化にさらなる尽力をすべきであると痛感した一夜であった。
<プロフィール>
中川 十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)関連キーワード
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