福岡・九州でも増加、奨学金返還支援制度導入企業
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社員の奨学金を企業が肩代わりする「奨学金返還支援(代理返還)制度」を導入する企業が増えている。人手不足のなか、優秀な人材の獲得や定着を促したい企業の思惑などがその背景にある。(独)日本学生支援機構によると、2023年12月末時点で、全国で1,463社が同制度を利用しているという。
福岡県のホームページによると、福岡県内には(株)筑紫工業(福岡県那珂川市)、(株)松本組(福岡市東区)など21社(2月16日時点、同機構ホームページに掲載され、県ホームページ掲載に了承があった企業)が導入している。
このうち、2月16日時点で実施予定企業として県のホームページに掲載されていた(株)九電工は、4月入社の社員から同制度を導入。月額上限1万5,000円、最長10年間、最大180万円の返還を支援するとしている。
他県に目を移すと、九州産交グループの九州産交バス(株)と産交バス(株)(いずれも熊本市西区)も4月1日以降に採用するバス運転士を対象に同制度による支援を行う。支援額は返済残高によって変わり、毎月最大2万円、最大10年間支援する。
日本学生支援機構によると、高等教育機関の学生などのうち32.6%が同機構の奨学金を利用するなどしており、就業後も奨学金返済に追われ質の高い暮らしができないケースが多く見られるという。
建設や運輸などの業界では2024年問題の影響もあり、人材獲得ニーズが高まっている。とくに中小企業では賃金アップにまで手が回らない場合も多いが、奨学金返済支援制度は人材の長期定着が可能になることもあり導入するメリットがありそうだ。
【田中 直輝】
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