悠久の自然の激変 From 福島
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福島自然環境研究室 千葉 茂樹
今年の夏、周辺の自然が、これまでにない変化(災害発生)をしています。放置できないので、調査に出かけ、忙しくしております。行政は災害を一般には知られたくないらしく、周辺を立ち入り禁止にしているので、地元の人でもほとんど知りません。
これらの災害は、自然環境の激変(雨の降り方)で生じたと考えられます。雨の降り方が、今年は異常で、ウルトラスコールのようです(私の感覚では、2000年頃から雨の降り方がスコールになりました。さらに、今年はウルトラスコールになりました)。
このため、これまで表土が安定していた場所まで土砂崩れを起こしています。あきれたことに、災害を大きくしている原因は、人間です。人間が自然に対し工作した場合は、メンテナンスを継続して行わなければなりません。ところが、行政の多くは、建設の際には金をかけますが、つくったら終わりです。また、自然に対し工作する場合は、その手順を考えなければなりません。
今夏の災害では、砂防工事の真っただ中の場所で、土石流が発生しました。この原因は、安全な工事の手順を考えないで、工事しやすい場所から始めた為、この工事現場が土石流の発生源となりました。私は、現場を見て、「馬鹿か」と思いました。
福島原発事故も同じで、私には「すべて人間の都合」にしか見えません。しかし、「人間が忘れようとしても、自然は放射性物質を濃縮」しています。
また、私の原発事故の調査を妨害した「首長」がいました。人間の都合で覆い隠そうとしても、自然は正直にその痕跡を残してくれます。
ある核物理学者が「自分は人間が嫌いなので隠棲する」と言っていました。私は「人間(ご都合主義、嘘をつく)が嫌いなので、生の続く限りその実態を記録していく覚悟」です。多分、こんな調査をしていますので、調査後に自宅に着いてバタンキューで、そのまま「さようなら」の可能性があります(妻は義理の両親の介護のため不在、週の半分以上は私1人の生活です)。
以上、今年の夏も調査データを取り続けていますので、体調が戻ったら、報告書(複数)にまとめたいと思っています。
最近、テレビで取り上げられた問題「長崎、黒い雨訴訟」「第4の被ばく(7日報道特集)(15日NHK)」「袴田事件(16日フジ系)」など、考えさせられることばかりです。すべて、人間のご都合主義の問題です。今も昔も、「忖度」「おもねる」、いやな人間ばかりです。
人間の性格形成は成人までになされると思います。私は、父親や一関一高の教員から「世の流れに抗うよう」に教育されてきました。多分、死ぬまで変わらないでしょう。初任高の原町高校で、若松丈太郎教諭(詩人、水沢出身、故人、原発事故に対する思いを詩にして発表)から、「福島県の考え方は、一関地方の考え方とはまったく異なるので、福島県で生きていくなら考え方を変えないと、非常に苦労するよ」と言われたのを今でも鮮明に覚えています。私は、青春期に植え付けられた生き方を変える気はありませんので、これまで大変苦労してきましたし、また死ぬまで変える気はありません。
<プロフィール>
千葉 茂樹(ちば・しげき)
福島自然環境研究室代表。1958年生まれ。岩手県一関市出身。専門は火山地質学。2011年3月の福島第1原発事故の際、福島市渡利に居住していたことから、専門外の放射性物質による汚染の研究を始め、現在も継続している。関連キーワード
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