技能者の確保、地位向上で魅力ある業界へ 使命感をもって建設業界の改革に取り組む
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西日本圧接業協同組合
待遇改善に長く尽力
「圧接」は鉄筋をガスで接合することをいい、その技術はマンションやビル、公共施設、道路、橋梁、鉄道などさまざまな構造物の建設に役立てられている。構造物の耐震性や耐久性を確保するために欠かせないためだ。災害時の復旧復興にも早期から関わるなど、建設業界はまちづくりにおいて重要な役割をはたしている。ただ、少子高齢化による担い手不足の深刻化という状況は圧接事業者も例外ではない。勤務時間が長く不定休という労働環境の割に、賃金が低く抑えられる状況が続いてきたためだ。
このままでは建設業界の永続性が失われ、社会に深刻な悪影響をおよぼしてしまう――そう危惧し長年にわたって状況の改善に尽力してきたのが、西日本圧接業協同組合の松本一彦理事長だ。労務単価のアップや月給制、4週8休制の導入など建設技能者の待遇改善について、国や自治体、ゼネコン、さらには組合の非会員事業者にも粘り強く働きかけてきた。そんな姿が多くの組合員に評価され、5月に、上部組織の全国圧接業協同組合連合会の会長にも就任。松本氏にかかる責任はますます重みを増した。
そんな矢先の6月7日、建設業界に待望のニュースが舞い込んできた。建設技能者の賃上げや働き方改革を促すことを盛り込んだ改正建設業法などが同日、参議院本会議で可決・成立(施行は2025年末)したというものだ。この法改正では契約取引に係るルールを整備する、つまり適正労務単価の行きわたりや労務費のダンピング(不当に低い金額を押しつけること)を禁止する内容も盛り込まれているのが特徴だ。松本氏は「ようやく国は建設業界の苦境を理解してくれたという想いです。今回の法改正が大きな転換点になると考えています」と強い期待を示した。
ただ、今後について決して楽観視はできない。円安や資材価格、不動産価格の上昇などにより建設コストが高止まりするなか、事業の収益性低下を恐れる事業主や発注主は多い。ダンピングを受け入れて、不当な金額で工事を受注しようとする事業者も存在する。松本氏は「今回の法改正により、建設Gメンによる取締りが強化されることになります。そうした情報を業界内外へ広く周知するなど建設業の魅力を発信し、建設技能者の待遇を改善し地位を高め、担い手を増やす大きな好機です。若者が希望をもって入職できる環境をつくることなども含め、これらを私の使命と考え取り組んでまいります」と決意を述べた。
<COMPANY INFORMATION>
理事長:松本一彦
所在地:福岡県筑紫野市岡田3-10-5
栄進工業(株)内
TEL:092-927-3880
URL:https://www.nishiatsukyo.or.jp法人名
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