10日投開票の八女市長選「伝統ある八女を守るのか、市政の変革か」が焦点に
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任期満了にともなう福岡県八女市の市長選挙が3日告示され、新人2人が立候補、市を二分する激しい戦いとなっている。市長選には、いずれも無所属新人で前副市長・松尾一秋氏(自民推薦)と元経済産業省職員・簑原悠太朗氏の2人が立候補している。
4期16年務めた三田村統之市長が、今期限りでの引退を表明したことで、三田村市長から後継指名を受けた松尾氏と、変革を主張する簑原氏の一騎打ちとなり、現職陣営は、「八女市を守ろう」と市民に強くアピールしている。
八女市は農業が基幹産業の保守地盤で、自民党元幹事長・古賀誠氏の大票田であった。先月の衆院選でも自民現職の藤丸敏氏が八女市選挙区で1万5,918票を獲得し、立憲新人の亀田晃尚氏らを下した。地元では「旧八女郡におけるインフラ整備などで古賀氏に対する期待度が高い。そのため後継である藤丸氏を応援したから藤丸氏が勝利した」との見方が支配的だ。
今回の市長選では、自民党が前副市長・松尾氏を推薦、また福岡県農政連八女支部において中心的な存在である八女市支部の多くが松尾氏を支持し、各種団体も松尾氏を推薦している。
一方、簑原氏は元武雄市長・樋渡啓佑氏の講演会を10月26日に開催するなど、「外人部隊」の応援を受け、改革をアピールしている。しかし、樋渡氏の市長時代の手法に対しては賛否があり、「八女でも、同じようなことをやるのか」と松尾氏を支持する側の危機感を煽ることで、「八女を守れ」との呼びかけになっていったようだ。なお、八女市職員労働組合は自主投票で、どちらも推さないとしている。
簑原氏を応援する牛島孝之八女市議会議員は「自民党は双方を推薦すべきだった」としたうえで「簑原陣営の選対幹部が桐明和久県議に対して選挙に影響すると発言したために、自民党や保守勢力が反発し、過去にない戦いになっており、五分五分ではないだろうか」と語る。
同市長選の行方は今後の福岡政界の動向に影響を与えるとみられ、注目が集まっている。
【近藤将勝】
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