2024年11月28日( 木 )

習主席と石破首相の初会談の内容(前)

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日中関係 イメージ    日本時間11月16日午前、中国の習近平国家主席はペルーの首都リマで、石破茂首相と初めて会談した。両氏は、「戦略的互恵関係」の包括的な推進を確認し、首脳を含むあらゆるレベルで意思疎通を強化する方針で一致した。日中両国外相による早期の相互訪問と、閣僚級ハイレベル対話の実施を調整する方針を申し合わせた。

 日本の首相が近平国家主席と対面で会うのは、昨年11月の岸田首相 (当時)以来、約1年ぶり。会談は、ペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、約35分間行われた。

 石破首相は会談の冒頭、「戦略的互恵関係の包括的推進と、建設的かつ安定的な関係の構築に向けた大きな方向性を共有する」と呼びかけ、日中関係の改善に意欲を見せた。習主席は「ともに中日関係の正しい軌道に沿った長期に安定した発展を推し進めたい」と述べた。 

 習主席は、「国際情勢や地域の情勢が混迷を深めるなか、中日関係改善と発展の大切な時期にある。中日両国は近隣国で、アジアそして世界の重要な国であり、両国関係は二国間を超える重要な意義をもつ。中国は日本側とともに、中日間の4つの政治文書で確立された原則や方向性に基づき、『パートナーであり互いに脅威とならない』という重要な共通認識を守り、戦略的互恵関係を全面的に推進するよう共に努力し、新しい時代に合った建設的で安定した関係を築くよう努めたい」と述べた。

 さらに習主席は、「中国の発展は世界の好機だ。日本など近隣国にとってはなおさらだ。日本とともに正しい相互認識を確立し、戦略的な面や全局的な視野から両国関係の正しい方向を把握し、合意している重要な政治面での共通認識を具体的な政策や実際の行動に移し、歴史を直視し、未来に目を向け、歴史や台湾などの重要な原則的問題に適切に対処し、意見の違いを建設的にコントロールし、両国関係の政治的基盤をしっかりと守るべきだ。また両国は、文化や地方の交流を一段と深め、国民同士、とくに若い世代の相互理解を促進すべきで中日両国の経済的利益は産業チェーンやサプライチェーンと深く関わり、Win-Winとなる協力を堅持し、世界の自由貿易体制や産業チェーン、サプライチェーンの安定性を維持していく。国際問題や地域の問題で連携を強化し、真の多国間主義を実行し開かれた地域主義を発信し、世界的な課題にともに対応していくべきだ」と述べた。

 これに対して石破首相は、「日中両国は地域や国際社会の平和や繁栄に重要な責任を有しており、両国が戦略的互恵関係を推進し、建設的かつ安定的な関係を築くことは、地域や世界にとって意義あるものだ。台湾問題において、1972年の日中共同声明を守るという立場は少しも変わっていない。日中間の4つの政治文書の諸原則と共通認識を守り、平和的な発展の道を歩み続け、歴史を直視し、未来に向けた精神に基づいて、中国側と各レベルの率直な対話をし、相互理解や信頼を増進していきたい。日中両国の経済協力には大きな潜在力があり、中国とデカップリングするつもりはなく、今後も双方が人的・文化的交流を強化し、貿易、省エネ型の成長、ヘルスケアなど各分野における協力を推進し、両国民により多くの利益をもたらしたい。またAPECなどの枠組みで緊密に協力していきたい」と述べた。

 また両国は経済や文化などでハイレベル対話の仕組みを活用するなど往来を維持し、福島第一原発の処理水の海洋放出における合意事項を早急に行動に移すことで一致した。 

(つづく)


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