韓国ロッテ危機説の真相は(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏危機の真相は(つづき)
デパートやスーパーなどが入っているロッテショッピングも、ネット販売の台頭などによる環境変化で業績が悪化している。アマゾンなどEコマースが業績を伸ばしている反面、リアル店舗はコンビニ以外、苦戦を強いられている状況で、ロッテグループもご多分に漏れず、業績が落ち込んでいる。
ロッテショッピングの今年第3四半期の売上高は前年対比で4.6%減少し、純利益は53.3%減少。ロッテグループのネット販売部門は20年に事業を開始して以来、今年上半期までの累積赤字が5,000億ウォンを上回っている。また、ロッテ免税店も4四半期連続で赤字を計上している。
業績だけでなく、流動性も悪化している。一般的に負債比率が100%以下であれば安定的だと評価される。ロッテホールディングスの19年の連結基準負債比率は100.3%だったが、23年には139.4%に上昇。今年第3四半期末基準では133.81%を記録するなど、やや改善したものの、依然として100%を上回っており、財務の健全性に市場関係者は神経を尖らせている。
危機解決のメド立たず
ロッテグループは今回の噂を鎮静化するため「56兆ウォンの資産をもっているので流動性危機にはならない」と釈明した。しかし、ロッテグループが資産として保有している不動産のうち売却できるものはグループの看板でもあり、実際には売却できない。その他の不動産の場合は不動産景気の低迷で売りに出したとしても、なかなか売れないだろうとされている。ちなみにロッテグループが保有する代表的な不動産は以下の3つである。
1つ目はロッテワールドタワーだろう。帳簿価格は1兆4,000億ウォンであるが、実際の価格は4兆4,300ウォンくらいする。2つ目が現在物流センターおよび車両整備工場として使われているロッテ七星飲料の敷地で、帳簿価格では4,000億ウォンだが、実際の価格は2兆ウォンを上回ると言われている。3つ目となる明洞の近くにあるロッテホテル本店も敷地や建物を合わせると、7兆ウォンくらいの価値があると言われている。
このような資産を保有しているロッテグループにすぐ流動性危機が訪れることはないだろう。しかし、将来が有望視される次世代産業を保有していないことも事実である。噂の影響だけで、これほど株価が下落するのは、市場においてロッテグループの信用が高くないことの証だろう。
ロッテグループは先日、人員調整案も発表。内容はグループ役員の大幅交代である。加えて今後5年間で百貨店、スーパーなど、韓国ロッテが運営する718店舗のうち、収益性が劣る200店舗以上を整理するという。
ロッテグループが大宇グループのように空中分解するのか、生き残るのか、今後の動向に注目が集まっている。
(了)
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