【異色の芸術家・中島氏(7)】アトリエ・メモランダム
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絵画や一人演劇など、ひとつの分野にとどまらず活動し、ニューヨークに加えドバイへも活躍の場を広げようとしている異色の芸術家・中島淳一氏。来年2月には、昨年7月に続く2回目の福岡アジア美術館での個展開催を予定している。現在は一日のうち14時間を創作活動に充て、高さ数メートルという大型の作品を含む新作を画き続けているという。中島氏から送られてきた「アトリエ・メモランダム」を以下に紹介したい。
ピカソとの関係が深く、ピカソの画商という異名をもつユダヤ系ドイツ人のカーンワイラーは、娼婦たちをアフリカの面のように異様な姿にデフォルメして描き、仲間の画家たちからさえ気狂い扱いされていた孤高のピカソと出会い、即座に500枚のデッサンを買い取る。それ以降、経済面でも理論面でも支え続け20世紀最大の巨匠を創りだした。
カーンワイラーは画商としてだけではなく美術評論家としての才能も遺憾なく発揮。哲学的考察に満ちた「キュビスムへの道」「ファン・グリス」の著作はキュビスム時代のピカソとの交流の証言として秀逸。ピカソの描いた【カーンワイラーの肖像】(1910)は2人の緊密な交流の証でもある。
思わぬ出会いが運命を変える。画家にとって必要なのは、秘められた才能よりも具体的な作品であろう。作品が思わぬ人との出会いを生む。とにかく描く。描き続ける以外に道はないのだ。
【茅野雅弘】
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