【異色の芸術家・中島氏(10)】アトリエ・メモランダム
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絵画、一人演劇と1つの分野にとどまらず活動し、ニューヨークに加えドバイへも活躍の場を広げようとしている異色の芸術家・中島淳一氏。来年2月には昨年7月に続く2回目の福岡アジア美術館での個展開催を予定している。現在は1日のうち14時間を創作活動に充て、高さ数メートルという大型の作品を含む新作を描き続けているという。中島氏から送られてきた「アトリエ・メモランダム」を以下に紹介したい。
また、絵具の補充に画材店に出かける。コロナ以降、原材料の高騰で絵具が値上がりしたこともあり、画家にとっては高額に感じるのは確かである。しかし、昔に比べると科学の進歩もあり、格段に安くなったのも事実だ。
フェルメールは一筆で5万円もする高価なウルトラマリンブルーをふんだんに使っていた。そのため別名フェルメールブルーとも呼ばれているくらいだ。当時はラピスラズリが原材料だった。17世紀には金よりも貴重だった。ウルトラマリンブルーは通常の青い絵具の100倍の値段がした。
ほとんどの画家がマリアのマントなどの限られた部分にしか使わない貴重な絵具をフェルメールは下地にすら惜しげもなく使い、歴史に残る名画を生み出した。亡くなったときには多額の借金が残った。高価な画材を躊躇なく使うそのこだわりが借金の原因であったろう。周りの人間は大変だったかもしれないが、フェルメール自身は画家としての本領を発揮したのだ。私にそんな資格があるだろうか。神のみぞ知る、というところだ。
【茅野雅弘】
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