第二次トランプ政権で世界はどのように変わるのか(4)
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鹿児島大学名誉教授
ISF独立言論フォーラム編集長
木村朗NetIB-NEWSでは、ISF独立言論フォーラムのISF通信を掲載している。
今回のISF通信では、1月20日に正式発足するトランプ政権がどのようにアメリカと世界を変えようとしているのかを検討している。4.変わるアメリカと取り残される日本
トランプ氏が正式に大統領に就任する前からさまざまな新しい政策・方針を提起してきただけでなく、すでにその一部が現実に成果として表れてきていることを見てきた。
それでは、その次期トランプ政権に対して日本はどのように対応するのであろうか。ここでは、安全保障問題に絞って少し触れてみたい。トランプ氏はかねて日米安保条約の「片務性」すなわち米国のみが日本の防衛義務を負うのは不公平で、これを変えねばならないと主張してきた。昨年末にもトランプ氏は、防衛費をきちんと払わない北大西洋条約機構(NATO)同盟国への攻撃をロシアに促す趣旨の発言をして、物議を醸している。トランプ氏はまたNATO加盟諸国に対してGDP2%ではなく5%まで軍事費を増額することを求めている。
日本に対してもトランプ氏は前政権時にも、駐留米軍経費分担の3倍増の要求を非公式に伝えてきた。韓国には5倍増を要求した。2期目になる今回も日韓両国に同様な要求を突きつけ、拒否するなら米軍を撤退させると「取引」を持ち掛けてくる可能性がある。
その際に、日本政府は防衛予算や思いやり予算のこれ以上の過剰な負担を無条件に受け入れるべきではない。重要なことは、その前に石破首相の持論でもある現在の不平等な日米地位協定の見直しなどを日本側から積極的に提起すると同時にこれ以上の軍備増強と過剰な負担を続けることはできないとの基本的立場を表明すべきである。
その意味で、「アメリカン・ファースト(自国第一主義→国内問題優先主義)」を唱えるトランプ政権の再登場は日本にとっても現在の従属的な日米安保関係を見直す好機到来ともいえる。
最後に触れておきたいのは、1月20日のトランプ氏の正式な大統領就任前に戦争や大規模なテロなど不測の事態が生じる可能性もあると指摘されている。そうした緊急事態はトランプ氏の大統領就任後も十分にあり得るはずだ。そのために日本はあらゆる事態にも対応できる備えをしておく必要があろう。
(了)
▼関連リンク
トランプ政権の関連動画:学カフェ(2025年1月20日)
「いよいよ今夜未明にトランプ大統領誕生!」(時代の奔流を読むby木村朗 )法人名
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