「先生Fes2025」福岡会場開催、企業の魅力を高校教員が体験

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先生Fes2025    深刻化する人手不足のなか、高卒採用を強化する企業にとって、高校教員との連携は欠かせない。その一環として、(株)ジンジブは、2026年卒の高校生の就職活動を支援する進路指導教員向けイベント「先生Fes2025」を2月14日(金)、博多国際展示場で開催した。今年で5回目を迎え、福岡会場には過去最多となる約20社が出展。教員と企業が直接対話し、業務体験を通じて企業への理解を深める場となった。

会場全体の様子
会場全体の様子

    同イベントには、進路指導担当や次年度の3年生担任の高校教員約20名が参加。企業との名刺交換後、関心のあるブースに座り、20分ごとに交流する形式で進行。高卒採用市場では、学校の進路指導がカギを握る。「先生Fes」では、企業が高校教員に直接説明することで、生徒に自社の魅力を正しく伝えてもらうことが可能だ。求人票やインターネットでは得られない具体的な業務内容や社風などを伝えることができる。ブースによっては仕事内容の体験も可能で、建設業のブースでは左官工事の体験が行われ、教員たちはコテを使ってモルタルを塗る作業に挑戦。参加した教員からは「初めて知る企業も多く、業界理解が深まった」との声が聞かれた

左官体験
左官体験

    福岡労働局によると、25年卒業予定の高校生を対象とした高卒求人倍率は過去最高水準の3.82倍に達しており、採用競争が激化している。この状況下で、企業が優秀な人材を確保するには、学校との関係構築が不可欠だ。物流業界の参加企業は、「先生からの紹介が学生の進路選択に大きな影響を与える。自社の魅力を伝える貴重な場」と評価。関西に本社をおく警備会社の担当者も「学校訪問には時間や距離の制約があるが、ここでは一度に多くの先生に説明できるのがメリット」と語った。

 今回は全国22会場で開催され、そのうち静岡・岐阜・北九州・栃木・奈良・島根・長崎の7会場が初開催となる。企業が高卒採用を成功させるためには、早い時期からの情報発信と、学校との関係強化が求められる。「高卒採用に力を入れたいが、どう進めるべきか分からない」「学校との接点を増やしたい」と考える企業にとって、「先生Fes」は効果的な採用チャネルとなりつつある。採用競争が激化するなか、企業の未来を担う人材との出会いを実現する場として、今後ますます注目が集まるだろう。

【岩本願】

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