福島市南部、水原のメガソーラー
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千葉茂樹(福島自然環境研究室)
福島県在住で情報発信をしている千葉茂樹氏から、メガソーラー開発の問題点を指摘する文章が届いたので共有する。
27日、福島市南部の水原を通りましたところ、広大なメガソーラーができていて驚きました。ここは、私が大学院に行っていたころに、ゴルフ場になりました。福島大学から磐梯山に調査に通っていたころ、頻繁に通ったところです。
数年前から、倒産したゴルフ場で工事が行われていることは知っていました。昨年、吾妻山東麓のメガソーラーが問題となりましたが、ここの面積はその比ではありません。とんでもない面積にメガソーラーができています。しかも、倒産したゴルフ場だけでなく、農地や森林が切り開かれています。
ソーラー発電は「再生可能エネルギー」ともてはやされていますが、とんでもない虚偽広告です。これは、まぎれもない自然破壊です。原発事故でも感じましたが、福島県民は政府に極めて従順です。原発事故もメガソーラーも、県土を蹂躙(じゅうりん)されても黙っている福島県民の体質が私には理解できません。少なくとも宮城県では県民が騒いでいます。原発事故では、私は福島県では講演を頼まれませんでしたが、数年前、宮城県の医師会からの依頼で、仙台で2.5時間の講演会をしました。原発事故でも、福島県では補償で騒いでいますが、宮城県では原発の設置や安全性で騒いでいます。視点がまったく違います。
ちょっと、突っ込んだ話を書きます。私が所属している地学系学会「地学団体研究会(地団研)」は、戦前・戦中の科学者の行動(戦争に加担した)の反省からできた学会です。設立の趣旨の1つに「自分の学問だけして他人の幸・不幸に無関心な人間、にはなりたくない」がありました。
このメガソーラーの近くには、福島大学があります。福島大学には地団研のトップ経験者が2名もいます。今回のメガソーラーを見て、地団研の凋落(ちょうらく)を強く感じました。
2024年に問題となったメガソーラーは地図の中央上「在庭坂」。
今回記事で言及しているメガソーラーは地図の中央下「水原地区」。
<プロフィール>
千葉茂樹(ちば・しげき)
福島自然環境研究室代表。1958年生まれ、岩手県一関市出身、福島県猪苗代町在住。専門は火山地質学。2011年の福島原発事故発生により放射性物質汚染の調査を開始。11年、原子力災害現地対策本部アドバイザー。23年、環境放射能除染学会功労賞。論文などは、京都大学名誉教授吉田英生氏のHPに掲載されている。
原発事故関係の論⽂
磐梯⼭関係の論⽂
ほか、「富士山、可視北端の福島県からの姿」など論文多数。関連キーワード
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