旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の清算人・預貯金400億円を保全~新たな団体活動の動きも

 先月4日に出された東京高裁の解散命令決定を受けて進む旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の清算手続きに関し、清算人の伊藤尚弁護士は22日までに、金融機関に対して教団の口座取引の一時停止を要請し、約400億円を保全したことを明らかにした。

 また22日付の官報(官報号外94号)で、高額献金被害などの申し出を5月20日から1年間受け付けることを公告した。

 この他、教団が借りている不動産約700件は順次解約手続きを進めており、所有する約200件の教団施設などについて、使われていないものから売却を行うという。

 福岡県内では、福岡市南区の福岡家庭教会と久留米市の久留米家庭教会など4カ所の教団施設が教団所有で売却の対象となり、これ以外の賃貸物件は解約される。

世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)福岡家庭教会
世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)福岡家庭教会

 現在、教団の専従職員は約1,400人いるが、清算人は今後の清算事務に必要な経理、総務、法務、人事などの担当職員を除く教団職員約900人を5月20日付で解雇する方針も示した。

 なお、財産保全や解雇について東京地裁に20日付で提出した報告書をホームページで公開している。

 関連して、全国霊感商法対策弁護士連絡会は22日、東京高裁に解散を命じられた旧統一教会の清算人が債権の申告を官報で告知したことを受け、「十分な救済を受けるため、まずは弁護士に相談してほしい」と呼びかける声明文を公表した。

 解散命令後、新たな活動の動きもある。東京・新宿にある教団関連の(一財)「孝情教育文化財団」の法人登記の目的に「宗教活動」を追加し、教団の前会長・堀正一氏が代表に就任した。

 これについて福岡県内のある教団職員は、「現在、多くの現役信者らが相当に制約された環境となっていることを踏まえ、各方面においていかに『受け皿』を構築できるか、取り組んでいる状況であり、その一環としてこのたびの新団体が設立されたものと認識しています」と述べつつ、「信徒の皆さまは高裁決定を受けて、家庭などで集会を行っておりますが、むしろ信徒間の相互理解が深まっているとも感じます。脱会などは福岡教会では起こっておりません。今は地に足をつけて、組織文化づくりを一歩ずつ取り組んでいる状況です」とコメントした。

 一方、旧統一教会問題を取材してきたジャーナリストの鈴木エイト氏は「宗教法人ではなくなったが、非営利型一般財団法人を使った宗教活動への献金は非課税となるため、これまでと同様の献金収奪被害の懸念は継続する。宗教法人時代も管轄庁である文化庁による調査権限等は限定的であったため、今後も継続的な監視は必要だ」と語った。

※関連
世界平和統一家庭連合清算人ホームページ
全国霊感商法対策弁護士連絡会
清算手続における債権申出開始の公告にあたって

【近藤将勝】

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