不動産取引トラブル、繰り返される引き延ばし工作
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「来週ちょっとまとまったお金が…」
福岡県で発生した、実態がない不動産取引をめぐるトラブル。関係者は、複数の個人・法人。取引関連で少なくとも1億円が動いていた。一連の取引をもちかけた内装業者「Rstudio」の代表・小田勝治氏は、宅地建物取引の免許をもっておらず、取引が適正なものかどうかが疑われる。その小田氏が、トラブルの相手先に“引き延ばし工作”とも受けとれる連絡を入れていた。
不動産業A社は16年11月、小田氏から、福岡県内の不動産物件など複数の不動産の売却話をもちかけられ、債権者への支払いで急きょ立て替えが必要などとして、6件計6千万円弱を小田氏に貸し付けた。その借用書の返済期限は、同年11~12月中旬に設定されていたが、現時点(18年7月23日)で1円も返済されていない状況にある。
7月12日、小田氏からA社へ電話があった。「来週ちょっとまとまったお金が1個動きそうなんですよ」と小田氏。A社によると、小田氏は同18日に「(返済について)一応、確定的なご報告」をA社の代理人弁護士にできるかどうか、同16日に判断できると伝えたという。金額について小田氏は、「正直に言いますね。今回の分からA社さんにお回しできそうなのは200万です」と伝えた。
しかし、17日朝になって届いた小田氏のメール(画像)は、「再度明日までには連絡をもらえる」というもの。その後、小田氏から連絡はなく、23日昼になって「明後日再度の日程が決まる予定」というメールが届いた。
A社によると、これまでも「明日こそ」「もう少し待ってほしい」といったメールが繰り返されてきたという。小田氏は詳細な説明については拒否。「しばらく時間を置いてから、また何事もなかったかのように、『金ができそう』と連絡が入る。その繰り返しで1円も返済はされていない」(A社)。返済期限から1年以上が過ぎてしまった。
取材に対し、「個人的には違法行為をやっている認識はない」と語っていた小田氏。12日、小田氏はA社に「自分が表に出ないようなかたちにして、知り合いの名前を借りて、やりとりしているやつがいくつかある」と話している。A社以外でもトラブルが拡大している可能性が高い。
【特別取材班】
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