九州地銀の2019年3月期(第1四半期)決算を検証する(1)
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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の過去7年間の第1四半期決算発表日の推移表である。
<この表から見えるもの>
~今年のトップ発表はふくおかFG~◆2019年3月期第1四半期決算発表のトップはふくおかFG傘下の3行(福岡・熊本・親和)で、7月31日(火)。2018年、2017年の2年間、トップ発表していたのは佐賀銀行だったが、ふくおかFGは5年ぶりにトップに復帰した。
◆ふくおかFGがトップで決算発表した裏には、2016年2月に十八銀行と経営統合すると発表してから承認が下りず2年半棚上げとなっていたが、今年5月以降「借り換えサポート」(債権譲渡)を積極的に推進したことを公取委が評価。その反応に十八銀行との経営統合がいよいよ認められるとの「自信」の読みがあったように見える。
◆はたして公正取引委員会は8月24日、十八銀行が1,000億円弱の債権を競合する他行に譲渡し、長崎県の中小企業向け融資が独占状態にならないことや、統合後金利が上がらないよう第三者が監視する枠組みを設けることも含めた、「統合計画の修正版」を履行することを条件に承認したようだ。ふくおかFGと十八銀行は2019年4月1日(月)に経営統合し、親和銀行と十八銀行は2020年4月1日(水)に合併することになった。今回承認となった「九州版」は、全国の疲弊する地銀が経営統合する際のモデルケースとなりそうだ。
~最終は大分銀行~
◆大分銀行はトップから遅れること約2週間後の8月13日(月)だった。過去7年間トップはないものの、最終での発表もなかった。今回増収減益の内容だったが、何か懸念すべき問題があったのではと思わせるタイミングだったのではないだろうか。過去6年間最終日に発表をしていた宮崎太陽銀行は、今年は大分銀行が最終だったため、汚名を返上し留飲を下げたといえるのかもしれない。はたして2019年9月期(中間)は、どこがトップでどこが最終となるのだろうか。<まとめ>
たかが決算発表日ということなかれ。増益であれ、減益であれ、決算発表が早いということは会計処理がしっかりしているということを表している。全体を見ると第一地銀が早く、第二地銀が遅いのがわかる。このなかで特筆すべきは佐賀共栄銀行ではないだろうか。2012年、2013まで最終発表の銀行だったが、2012年5月から2年間顧問だった二宮洋二氏が、2014年6月27日頭取に就任すると、その後は発表を早めていることがわかる。決算発表が遅い豊和銀行・宮崎太陽銀行・南日本銀行の筆頭株主は整理回収機構であり、処理すべき懸案事項が多いからではないだろうか。次回からは十八銀行とふくおかFGとの経営統合が与える影響についても検証していくことにしたい。(つづく)
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