2024年11月24日( 日 )

政権交代で「分かち合う経済政策」実現

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を紹介する。今回は、「衆院総選挙が1年以内に実施されることは間違いない。共生の経済政策を明確に掲げて候補者一本化を確実に実現すれば、政権交代を実現することは決して不可能ではない」と訴えた10月2日付の記事を紹介する。


政策連合=オールジャパン平和と共生は10月28日に松元ヒロさん公演ならびに「政策連合で政権交代」決起集会を開催する予定だ。
詳細の公表は遅れているが、いましばらくお待ち賜りたく思う。

会場は東京メトロ新宿御苑駅2番出口から徒歩5分の場所にある四谷区民ホール。
https://shinjuku.hall-info.jp/yotsuya/
時間は午後5時30分から8時45分までを予定している。

スケジュールは
第1部 午後5時30分~午後7時
「政策連合で政権交代」決起集会
第2部 午後7時15分~午後8時45分
「松元ヒロさんオンステージ」
を予定している。

コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者数を制限して実施する予定。
コロナ問題があり、ご案内が遅れているが、今後、詳細を政策連合HPに掲載させていただく。
事前申し込み制とさせていただく予定だが、まだ申し込み方法の詳細とご案内は掲載していないので、しばらくお待ち賜りたい。

参加費は無料。
第1部についてはオンライン配信を予定している。
第2部についてはオンライン配信せず、来場者のみ観覧いただけるかたちにする予定である。

衆院総選挙が1年以内に実施される。
9月30日付メルマガ記事「もう1つの解散総選挙シナリオ
に記述したように、菅首相は衆院総選挙時期を来年秋に先送りする可能性がある。

菅氏が来年秋以降も自民党総裁・首相としての地位を維持するための戦術として、2021年秋の総選挙日程を選択する可能性があるのだ。

メインシナリオは年内総選挙だが、総選挙時期が来年秋まで先送りされる可能性も視野に入れる必要がある。
しかし、いずれにせよ、衆院総選挙が1年以内に実施されることは間違いない。
この選挙で民意を反映して政権交代を実現する必要がある。

自公+維新が結託して総選挙に挑むのであるから、現在の日本政治を刷新しようとする勢力が大同団結することが必要不可欠だ。

その際に重要なことは基本政策を軸に連帯すること。
「政策基軸」こそ何よりも重要だ。
政権を獲得しても、政権内部に正反対の政策主張が同居するなら政権はたちまち空中分解してしまう。
「政策基軸」が絶対的に重要な基本だ。

「政策基軸」で主権者である市民が主導して大きな連帯を構築する。
もちろん党派の壁を超えなければならない。

「政策基軸」「超党派」「主権者主導」で「政策連合」を構築する。
この「政策連合」で「政権交代」を実現させる。

基本となる政策は「壊憲阻止」「原発ゼロ」「共生の経済政策」。

立憲民主党と国民民主党が合流して新しい立憲民主党が創設された。
この中核野党が曲がりなりにも政策の純化を実現させた。
「壊憲阻止」「原発ゼロ」の方針を明確化した。
この意義は大きい。

消費税大増税・コロナ大不況で国民生活が苦境に追い込まれている。
格差は拡大する一方。
憲法が定める「生存権」が深刻に脅かされている。
従って、「共生の経済政策」の内容こそ次期衆院総選挙の最大争点になる。

この経済政策について、オールジャパン平和と共生は2018年春に提言を明示した。
「むしり取る経済政策」から「分かち合う経済政策」への転換、「シェアノミクス」の提案だ。

ここで提示した政策を2019年の参院選で「れいわ新選組」が全面的に採用した。
いま新たに衆院総選挙に向けての経済政策を明示し、政権交代によってその実現を図らねばならない。

2018年4月の学習会で私は、「むしり取る経済政策」を「分かち合う経済政策」に転換する5つの具体的施策を提言した。

消費税撤廃
最低賃金全国一律1,500円政府補償
最低保障年金
一次産業戸別所得補償
給付型奨学金と奨学金徳政令

私たちは、経済政策以外に、原発ゼロ、壊憲阻止、辺野古米軍基地建設阻止を掲げてきた。
「れいわ新選組」の選挙公約はこれらの施策を丸取りするものだった。

合流新党である立憲民主党が「消費税ゼロ」「原発ゼロ」を明確に打ち出したことで、私たちが提言してきた「政策基軸」の政策共有化が実現する環境が整えられた。

立憲民主党、国民民主党は過去の経緯から消費税減税・廃止に抵抗していたが、この障害も取り除かれた。
立憲民主党が2年間の期間を区切りながらも消費税率ゼロ政策を明示したのだ。

選挙で重要なことは候補者を一本化すること。
衆院総選挙が小選挙区を軸にしている以上、候補者一本化が絶対に必要。

自公の戦術を「動員」「妨害」「分断」だと指摘してきた。
自公に投票する者は有権者全体の25%。
この25%を確実に「動員」する。

現状で選挙に足を運ぶ国民は全体の50%。
この水準を維持できれば、自公は投票総数の半数を占有できる。
しかし、投票率が高まると25%の比重が小さくなってしまう。

自公にとって投票率は低ければ低いほど良いということになる。
そのために、人々が政治に関心をもつことを「妨害」する。
政治以外の問題に関心が向くように誘導が行われる。

そして、何よりも重要なことは反自公勢力を「分断」すること。
具体的には反自公勢力を「共産党と共闘する勢力」と「共産党とは共闘しない勢力」に分断することに大きなエネルギーが注がれてきた。

その象徴が、CIAが1960年に創設した民社党。
その流れを汲むのが現在の連合と新・国民民主党だ。
自公のこの戦術を正確に把握して対応することが重要だ。

上記の基本政策で野党共闘の確立が可能になった。

共産党を含む強固な共闘体制を構築することが肝要だ。
自民にはもれなく維新が付いてくるのだから、こちら側に共産党が付かなければ勝ち目はない。

自民は自民応援団として新たに「維新」と「国民」を連立のパートナーに組み入れることを検討している。
それでも、小選挙区は1人しか当選者が出ないから、1つの選挙区にこれらの勢力から複数候補が出馬すれば自公陣営で票を食い合うことになる。
共生の経済政策を明確に掲げて候補者一本化を確実に実現すれば政権交代を実現することは決して不可能ではない。

悪徳の消費税を是正すること。
最低賃金を全国一律で1,500円に引き上げること。
これを企業負担で強制すれば企業が倒れてしまう。

公的支援で最低賃金1,500円を実現する。
この最低賃金が生活保護の基準になる。
最低賃金を引き上げることは生活保護水準の引き上げをも意味する。

日本の生活保護の最大の問題は、生活保護利用の要件を満たしている人のなかで、制度を利用している人の比率が2割以下であること
憲法に明記されている「生存権」が実体として保障されていない。
生活保護の言葉を生活保障に置き換え、「生活保障法」を制定することが必要だ。

政策を基軸に主権者が主導し、党派の壁を超えて大きな連帯を構築すれば、必ず意味ある政権交代を実現できる。


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植草一秀の『知られざる真実』

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