【福岡県に緊急事態宣言】(5)平時と変わらぬ様子の食品スーパー
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1度目の緊急事態宣言が発令される前の昨年3月、SNSなどを介した誤情報の拡散や転売目的による買い占めなどの影響によって、まるで昭和の“オイルショック”が再来したかのように、スーパーやディスカウントストアなどの小売店からトイレットペーパーやティッシュといった紙製品が姿を消した。さらに、4月の緊急事態宣言の直前には、消費者の買い占めによって、パスタや即席麺といったある程度保存の利く商品も品薄になったことは記憶に新しい。では、2度目となる今回は、市民生活にどのような変化をもたらすのだろうか――。
13日午後7時、福岡市近郊のある食品スーパーの店内。店舗入り口での手指消毒用アルコールの設置や、レジ待ち時のソーシャルディスタンスの呼びかけ、レジ周りのビニールカーテン、スタッフのマスク・手袋着用などの感染予防策は、従前と変わらず徹底されている。ちょうど帰宅時間ということもあって、スーツ姿の会社員の姿がやや多いが、特段店内が混雑している様子はない。各商品棚の品ぞろえも、特定の商品が目立って品薄になるということもなかった。
一夜明けて、午前8時の同じ店内。朝早い時間帯とあって、店内の客の数はまばらで、品出しを行っているスタッフの姿が目立つ。店内を一通り回ってみたが、紙製品や乾麺などの棚も含めて、とくに品薄となっている商品は見受けられなかった。この食品スーパーに限ったことかもしれないが、福岡県が緊急事態宣言の対象となる前と後とで、とくに変わった様子はないようだった。
新型コロナの感染拡大が日本で本格化し始めてから、まもなく1年になろうとしているが、この間、我々国民は新型コロナとの日常的な付き合いを余儀なくされてきた。まだ経験が浅かった1度目の緊急事態宣言のときと比べて、良くも悪くも“慣れて”しまったことで、2度目となる今回は切迫感も緊張感も薄れてしまっている気がしてしまうのは、筆者だけだろうか。
【坂田 憲治】
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