【会見まとめ】小池都知事が「五輪中止」を旗印に都議選突入か 都医師会会長も後押し
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「東京都医師会会長の尾崎治夫氏は台湾並みの水際対策強化を求めている。小池都知事と尾崎氏はワクチンチームで連携する仲。(新規陽性者を)「1日100人以下」とする〈尾崎基準〉を根拠に、小池都知事の五輪返上の地ならし役になるのでは」(ジャーナリスト・横田一氏)
尾崎治夫・東京都医師会会長会見(5月11日)
――(フランスメデイアの西村カリン記者)政府はオリンピックのために、報道陣やオリンピック関係者(に)は強い水際対策を取らないようにしているらしい。たとえば、2週間隔離とか取らないということがあるのですが、どうご覧になっていますか。
尾崎会長 理想的に考えれば、台湾のようなかたちでやらないと本当に防ぐことは難しいと思っています。ただし、オリンピックのときにそこまでできるのかどうか私はよく知りませんが、実際に選手とか関係者に対して、いわゆるバブル方式(階催場所を隔離して、外部との接触を遮断する方法)で行動が制限されるなかで、たとえば、毎日PCR検査をやるとか、そういう対策を取れば、それはそれで有効なのではないかと思います。問題は、たとえばメデイアの方とかスポンサーとかスポンサーゲスト、スポンサーが連れてくる人が、今のところどういうかたちで日本にいる間に感染症対策をするのか(わからない)。
少なくとも私が知る限りでは、まったく情報がないので。選手の方は普段から自覚していますし、若い方も多いですし、体力もありますし、今回はワクチンを打っていくというのが出てきましたので、選手が感染源になるというのは割と少ないのではないかと思っています。他の、五輪にともなって来日する方、5万人とか7万人とも言われていますが、そういった方の感染予防をどうやってやっていくのか。もし無観客になった場合でもそのへんがしっかりしていないと、やはりいろいろな国で変異株が出てきているわけですから、そういったものがオリンピックを機会にどんどん入ってくるとなると、これはその後、日本が厳しい状況になる可能性は高い。ぜひ、そういったことを考えていただきながら、そういう安全なオリンピックができるのかを今から真剣に綿密に考えていただければと思っています。
――(横田)政府が甘い水際対策を続けているのは、昨日の野党の追及にもあったのですが、五輪開催を優先しているためではないかと。台湾並の(厳しい)水際対策をして仮に五輪開催が困難になっても徹底した水際対策をやるべきだというお考えであることを確認したいのと、政府はステージ3、スタージ4の感染拡大・感染爆発でも五輪開催の可能性を示唆している。五輪開催と都民や国民の命を守ることと両立するのかどうかについておうかがいしたい。
尾崎会長 先ほど申し上げたように、頑張れば7月中にワクチンが打ち終わる可能性が、実際にワクチンを買うことができたということもありますし、態勢も整いつつあるという中でそれをしっかりやれば、(小池)知事の言葉で言えば、「ゲームチェンジャーになる」と。
私たちの言葉で言えば、「新たな世界が開ける」と思っていますが、ここでオリンピックをやるやらないは別にして、しっかりとした水際対策と国内でどの地域にどのくらいどういう変異株が入っているのかという正確なモニタリングができない限りは、今のところファイザーのワクチンはいろいろな変異株に有効という結果は出ていますが、日本の研究でもしばらくしたら出ると思いますが、私の聞く限りはかなり効果があるという話があります。
そういう中で、未知の変異株がどんどん広がることになると、今後のワクチン対策が滅茶苦茶になってしまうのです。そういう意味ではここを真剣に、私どもも真剣にワクチンを打ちますので、(政府は)ぜひそこをやってもらわないと、また別の問題で感染が増えていくことがありますので、本当に変異株を含めた水際対策が大事だと思っています。
ステージ3とか4とかであれば、日本全体を見渡せばまだまだ感染者が少ないところはありますが、このところ変異株が増えているということで、今までかなり少ないところでもある程度クラスターがぱっと起きるとかという事態になっています。全国の知事会の方も「全国的に対策を練らないといけない」という要望もされているようですから、「東京や大阪など大都市の問題」と考えると、危機的な状況になっていく可能性が高い。
東京でいえば、オリンピックをやるのであれば、(新規陽性者を)「1日100人以下」にするということを真剣にやっていかないと、僕は安全なオリンピックにつながらないと思います。「どんなステージにもかかわらず、オリンピック・パラリンピック関係者だけしっかりと対策をすれば大丈夫なのだ」という政府関係者がいますが、私は間違いではないかと思っています。
――ステージ3、同4だと(五輪)開催は困難、厳しい、と。
尾崎会長 そういうふうな気持ちで日本の中全体が動いていかないと、これは難しいなと思います。
立憲民主党・蓮舫代表代行会見(5月12日)
――ステージ4感染爆発でも五輪中止とは言わないという菅総理の五輪強行路線について、どう対応するのかおうかがいしたい。たとえば、都議選で五輪反対の受け皿になる、「五輪強行の自公+都民ファーストvs五輪反対の立民など野党」という構図をつくって戦うのか。もう1つ、予算委の最後で言われていた「小池知事が中止を言い出すかもしれない」ということを受けて、むしろ小池知事に(五輪)中止を促すような提案をする、意見交換をすることを考えられているのか。
蓮舫代表代行 現段階では一昨日の予算委員会の枝野代表の立ち位置が私たちの考えです。枝野代表からは「(五輪開催可否の)判断をするギリギリのタイミングだ」と。私からは「(IOC)会長に相談をしてギリギリの時だ」と。これが私たちの立ち位置です。その部分で小池知事がどのような判断、意向、行動に出られるのかわかりませんが、都民にとって東京オリンピック・パラリンピック大会は関心が高いと思っています。都民だけではありませんが、とくに(東京は)開催地ですから。
ここで新たな感染爆発を起こすとか、新たに海外からこれまでにない変異株侵入のリスクがあることを考えたときに、私たちの立ち位置として訴えるべき声をまとめていくことは必要だと思っています。まだ、そこは具体的に詰めていません。
――都議選でそういう(五輪に関する)公約などを掲げて戦う可能性は十分にあると理解してよろしいでしょうか。
蓮舫代表代行 十分あると思っています。ただ現段階では決めていませんし、都連のなかで政調会長の山花(郁夫)さんがおられますので、そこは自治体議員や都議会で働いている方と候補者の声を聞きながら今調整を進めています。
――小池知事に直接提案するとか意見交換をするとか予定は。
蓮舫代表代行 ないです。
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