21世紀型新帝国主義と価値観外交
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「世界情勢を展望するには世界政治経済の行動原理、行動法則を押さえることが必要不可欠だ。」と訴えた12月23日付の記事を紹介する。
2022年の世界経済、日本経済は多重リスクに取り囲まれたものになった。2月24日にウクライナ戦乱が勃発。早期停戦の可能性は遮断され、長期戦となる様相さえ示している。
ウクライナ戦乱が大きな背景となり世界的なインフレが亢進した。インフレ本格化に連動して米国、欧州の金融政策が引締め転換した。日本銀行だけがインフレ・円暴落放置の姿勢を決め込んだが、ついに黒田日銀が無残に落城した。
インフレと金融引締めは経済活動を下方シフトさせる原動力になる。コロナは時間の経過とともに毒性を引き下げているが、現実対応能力を失った国ではコロナの呪縛から離脱することができない。
日本政府はまったく意味のない「ワクチン接種証明」をいまだに利用している。ワクチン接種者がコロナ感染しないわけではない。ワクチンを接種した感染者の全国旅行を支援して、コロナを全国にまき散らしている。
中国はゼロコロナ政策を採用してコロナを封殺していたが、西側メディアは声をからしてコロナ規制緩和を叫び続けた。毒性低下もあり、中国政府がコロナ規制を緩和したが、その結果として感染爆発が生じている。コロナ規制を批難してコロナ規制解除を強要した西側メディアは、手のひらを返して、中国のコロナ感染拡大を批難している。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の言葉があるが、米国が支配する西側メディアは、ただひたすら中国とロシアを批難するだけなのだ。論理も整合性もない。西側メディアの幼児性が鮮明に浮かび上がっている。
中国は不動産バブル崩壊局面に直面しており、経済活動への下方圧力が予想される。日本の失われた20年、失われた30年の轍を踏まずに、経済軟着陸をはたすことができるのか。2023年は正念場を迎えることになる。
日本円暴落を放置し、インフレ亢進を放置してきた黒田日銀が落城した。黒田東彦氏は2023年4月に退任する。後任の日銀総裁は金融政策運営の根本を修正する。このことが確実になり、醜態を白日の下に晒すのを回避するために、黒田氏が自ら動かざるを得なくなった。
黒田氏は四の五のいうが、客観的に見れば黒田大規模金融緩和路線が敗北した。日本円が暴落し、インフレが亢進するときに、超金融緩和政策を推進する中央銀行は明白な「中銀失格」なのだ。
安倍晋三氏が死去し、アベノミクス敗北が確定した。アベノミクス下の日本経済は惨憺たるものだった。2023年に向けても金融大波乱が続く。しかし、この波乱のなかに、金融投資で高リターンを獲得するチャンスが潜んでいる。
※続きは12月23日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「21世紀型新帝国主義と価値観外交」で。
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