【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史(31)】「『命ファースト』終了」でガンガン稼ぐ!?──令和5年度予算と中長期計画(3)
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新学期がスタートした。福岡大学でも4月1日、入学式が執り行われ、4,820人の新1年生がキャンパスライフを送り始めたところだ。これに先立ち、執行部は令和5年度の予算編成を行っていたが、3月30日の理事会および評議員会にて承認されたもよう。令和4年度の決算見込と向こう10年間の中長期計画も示された。そこに浮き彫りになる「学長のビジョン」とは…。
「コロナ補助金の分ぐらい、病院部門が自力で稼げる」!?
令和5年度事業活動収支予算を主要項目ごとに見ていくと、まず教育機関としての本源的収入である「学生生徒等納付金」について、執行部は前年度予算比▲1億3,800万円、同決算(見込)とほぼ横ばいの、278億8,700万円を見込む。入試の際の受験料を主とする「手数料」(本稿の表では「その他の経常収入」に含めてある)も、前年度予算比▲3,300万円の12億7,000万円。18歳年齢の減少を背景に、受験者・入学者の増加はもはや望めないと踏んでいるようだ。
いまやどこの大学にとっても命綱となっている「経常費等補助金」も、前年度予算比▲4億3,900万円の59億8,400万円の見込み。なんでも「C区分」(※)による減額とのこと。「付随事業収入」(本表では「手数料」と同様に「その他の経常収入」に含めてある)も同▲1億5,800万円の11億600万円。令和5年度はこのように、主な収入源について軒並み減収が想定されている。
(※)C区分:私学への補助金額の算出にあたり加味される指標の1つで、学納金収入に対する教育研究経費および設備関係支出の割合、つまり学納金の教育研究への還元率のこと。この数値が良ければ補助金は増額、悪ければ減額となる。
一方、「医療収入」については、前年度予算比26億3,400万円増、前年度決算(見込額)比で36億2,900万円もの増加となる、444億6,400万円を見込む。これが、他の収入項目の減収をゆうにカバーするのみならず、経常収入全体をコロナ補助金40億円が含まれた前年度決算のそれ(851億9,900万円)に迫る847億4,900万円に押し上げる。ようは、“コロナ補助金の分ぐらい、病院部門が自力で稼いでやる”と言いたいわけだ。
たしかに「医療収入」は(年度ごとの浮き沈みはあれ)増加傾向にあり、ここ8年で12.5%、金額にして45億5,000万円増加している。そこへもって、今年、一挙に36億円もの増収を見込むというわけだが、執行部は何を根拠にそんなに強気なのか。
資料によれば、「福大病院の入院・外来診療単価及び筑紫病院の入院・外来患者数、入院診療単価の増加」が見込まれるからという。あえて身も蓋もない言い方をすれば、“患者が増えますし、しかもその1人ひとりからガッツリいただきますから大丈夫です”というわけだ。なんともえげつない話だが、そもそもが決算でいつも予算を下回る「医療収入」である。朔学長らのこの強気が、単なる取らぬ狸のなんとやらでなければよいが・・・。
(つづく)
【特別取材班】
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