再び保守分裂の火種 福岡9・10区などの自民公認問題
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自民党福岡県連の年次大会が20日、ホテル日航福岡で開かれた。麻生太郎・自民党副総裁、服部誠太郎・福岡県知事、蔵内勇夫・常任相談役などが列席し、党員や関係団体など多数が参加した。このなかで会長選出ならびに役員改選がなされ、県連会長は原口剣生氏が再選され、会長代行には松本國寛県議が選任された。3役は、幹事長が樋口明氏、総務会長には、川端耕一氏、政務調査会長は板橋聡氏といずれも県議団から選出されており、自民党県連内のパワーバランスが県議主導にあることがわかる。
G7サミットも閉幕し、国会会期末が近づくなか、内閣支持率もあがり、永田町では解散風が吹いている。岸田首相は、24日の衆院予算委員会で、衆院解散・総選挙に踏み切る可能性について「今は重要な政策課題に結果を出すことに専念すべきときであり、今、解散については考えてはいない」と述べたが、政局は水物でありタイミングを逸すると思わぬ方向に転がることだってあり得る。安倍政権が7年におよぶ長期政権を実現したのは、適時に解散を打ってきたことにある。
こうした空気のなか、自民党福岡県連も、前回の衆院選で野党系に議席を明け渡した9区・10区での候補者選定を急ぎたいとしている。9区は、三原朝彦氏、10区は山本幸三氏であったが、選挙区で敗れて総支部長は空席のままである。
9区については、参議院議員・大家敏志氏が連日、八幡西区や八幡東区、戸畑区で街頭活動に取り組んでいるが、衆院への鞍替えを前提とした活動とみられている。もう1人、名前が挙がっているのが、武内和久・北九州市長に近い三原朝利市議。朝彦氏の甥にあたる。もし、大家氏と三原氏が争う構図になれば、再び保守分裂になる。現在、9区の衆議院議員は、緒方林太郎氏。旧民進党県連代表も務めたが、2017年衆院選で希望の党から立候補し敗北。以後どの党にも所属せず我が道を行く人物だが、政策通であり、地元に根強い支持がある。
10区にしても、現在、立憲民主党福岡県連の代表を務める城井崇氏には強固な支持基盤がある。誰が公認候補になるにせよここを崩すのは容易ではないだろう。
この他にも、火種がくすぶる地域が複数ある。まずは、春日市や筑紫野市、朝倉市などを選挙区とする5区である。春日市長選で7選をはたした井上澄和氏は、自民党5区支部長・栗原渉氏とは関係がよくないとされる。原田義昭氏の動きについても、県議選で太宰府市区から立てた候補者が負けたものの、あきらめたとはいえないとの話であり、対抗馬を立てる可能性がある。久留米市、大川市などを選挙区とする6区は県連会長・原口氏のお膝元だが、次の衆院選では鳩山二郎氏への対抗馬を出すという話がある。大牟田市や筑後市などを選挙区とする7区では、4月の県議選で、筑後市・八女市八女郡選挙区で保守分裂となり、古賀誠・元幹事長が自民党公認候補への対抗馬を支援した経緯がある。自民党の7区関係者のなかには古賀氏の元秘書である藤丸敏氏に不満を持つ人たちもおり、これらの地域においても、今後自民党内の調整がすんなりいくのかどうか、注目されるところである。
【近藤 将勝】
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