2024年11月21日( 木 )

中国、製造業分野の外資参入制限を全面撤廃(後)

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中国 電気自動車(EV) イメージ    中国政府は2021年12月27日に、外資系自動車メーカーの乗用車分野の出資規制を2022年に撤廃すると発表した。18年に電気自動車(EV)など新エネルギー車、20年に商用車の規制を撤廃済みだ。

 中国政府は18年4月、自動車分野で段階的に外資規制を撤廃すると発表済み。残るのは中国の自動車市場全体の8割を占める乗用車分野だった。

 自動車分野は従来、外資が中国国内で自動車を製造する合弁会社の出資比率を最大50%に制限し、新エネ車以外を除いて合弁会社数も原則2社までと定めてきた。世界最大の自動車市場となり、海外から早朝の開放を求める声が多かった。

 規制緩和によって、EV大手の米テスラは全額出資子会社を設立し、19年に中国で生産を始めた。独フォルクスワーゲン(VW)も20年、中国企業と組んだEV合弁会社の出資比率を50%から75%に引き上げた。

 トヨタ自動車やホンダ、日産自動車も中国で現地企業との折半出資会社を運営する。経営の自由度は高まるが、「合弁相手である中国側との信頼関係を重視し、出資比率の引き上げは慎重に考える必要がある」(日系大手幹部)と、ほとんど比率は引き上げていない。

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 製造業分野における外資参入制限措置の全面的な撤廃について、中国国際経済交流センターの魏建国副理事長(元商務部副部長)は、「中国の製造業は世界の生産チェーン、サプライチェーン、バリューチェーンのなかで、以前のミドル・ロークラスからミドル・ハイクラスへと躍進した。このたびの全面的開放は世界にとって好材料であり、製造業にとってはなおさらだ」としたうえで、「このたびの製造業分野での外資参入制限の全面的な撤廃は、次の3つの重要なシグナルを発している」とした。

 魏副理事長によると、まず中国が立ち上がるときによりどころにしたのは製造業という「背骨」であり、これから豊かになり、強くなるときにも引き続き製造業という「背骨」に寄りかかる必要がある。次に中国のハイレベルの対外開放は、中国製造業における外資参入制限の全面撤廃をポイントとした新たなスタートだ。第三に中国経済の今後の発展には、引き続き実体経済をよりどころにすることが必要で、これは過去に欧米の大国が発展のなかで徐々にサービス業に向かって製造業を軽視した道を改めるものだ。中国には製造業で強い基礎と支えがあり、これからさらに高度化をはたすには、サービス業を発展させると同時に引き続き製造業の高度化を強化する必要があり、両方とも強くする必要がある。

 中国は2017年から5年連続で外資参入ネガティブリストを改定してきた。2021年版では全国と自由貿易試験区におけるネガティブリストの項目がそれまでの31項目から27項目に減り、種苗業、自動車・船舶および航空機製造、証券、銀行、保険、職業育成など多くの業界・分野で外資の持株比率の制限が撤廃または緩和され、海外の投資家のためにより多くの市場チャンスを創出した。

 上海市外商投資協会の黄峰会長は、「中国は全国的に製造業への外資参入はすでにほぼ開放されており、このたびの全面開放は態度表明という意味合いがより強い。グローバル経済の回復が力不足であることを背景として、中国の外資導入は課題に直面しており、より方向性をもった実質的な価値が高い外資安定政策を持続的に打ち出すことが必要だ」との見方を示した。

(つづく)


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