中国はバブル崩壊後の日本になるのか(前)
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中国の経済界では今、「2023年の中国は、バブル経済が崩壊した1990年の日本と同じなのか」との話題でもちきりである。
不動産バブルの崩壊を経て痛みをともなう改革が進んでいる中国は最近、住宅の価格や家賃、売上高の落ち込みが続き、空き家率も高まって、かつての日本の不動産バブル崩壊後の状況と大変よく似ている。ただし、中国では物件価格の下落率がせいぜい15~20%前後であるのに対し、当時の日本はマイナス70%にも達し、都心である東京都中央区などは80%もの下落であった。つまり、値下がり幅は日本のほうがずっと大きいのである。しかし中国はまだ下がり始めたばかりで、今後数年間で東京のような暴落状態にならないとも限らない。
また、中国は負債率が高く、これも当時の日本と大変よく似ている。民間部門の負債率は今年に急上昇しており、日本の1990年代のバブル絶頂期における負債の上昇幅に近いものがある。中国政府の債務は、地方政府の融資会社の分も加えればGDPの80~90%に達する。これは日本政府の負債の対GDP割合よりは低いが、1990年代の日本のレベルよりは高い。よって、中国経済は間違いなく景気の後退やデフレ緊縮という時代に突入する。この点も日本のバブル崩壊とよく似ている。
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中国経済が不振にあえぐ3つの理由(前)さらに、中国は当時の日本とほぼ同じように高齢化が進んでおり、とくに出生数の減少や生生率の低下に見舞われている。
しかも中国は「老後の蓄え」問題があり、出生率がこれまでより40%もダウンするなど日本よりも深刻で、大変厄介な状況である。
さらに中国は、今後の見通しが概ね悲観的であり、企業の投資意欲や個人消費の意欲も上がらず自信を失いつつある。こうした状況もバブル後の日本と大変よく似ている。
また、バブル崩壊後の日本はすでに超先進国になっており、所得水準も極めて高く、1人あたりGDPは一時期アメリカをも上回っていた、一方で今の中国では1人あたりGDPはアメリカの20%に満たない1万2,500ドルである。よって中国は、これからかなり長期にわたり消費が落ち込んでゆくだろう。
よって国内外の学者は、こうした観察を踏まえて、中国経済がすぐに回復するとは見ておらず、中長期な成長も望めそうにないと見ている。
中国経済は日本バブルの崩壊後と同じ道をたどり、長いトンネルにはまるというのである。
「中国はバブル崩壊後の日本になるのか」について、中国春華資本集団の創業者である胡祖六会長は11月10日に行われた「グローバル問題を話し合う」第14回ビジネスサミットで、「その可能性は低く、むしろ中間所得層の罠に警戒しなくてはならない。市場にイノベーションやクリエイティブの力を改めて注ぐため、市場や民間経済の規制を緩和し、ほぼ足踏み状態となっている体制改革を進めることが必須だ」と述べている。
(つづく)
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