2024年11月21日( 木 )

中国2023年のGDP成長率は5.2%増

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中国経済 イメージ    中国国家統計局は1月17日、2023年の中国経済のデータを発表した。速報値では、2023年の国内総生産(GDP)は126兆元(約2594兆円)を超え、GDP成長率は5.2%となった。

 これは、中国経済が年初に定めた約5%という成長率目標を達成したことを意味する。しかも、これは2022年を2.2ポイント上回る数値だ。

 中国経済のパフォーマンスを詳しく見るには、自国の垂直比較だけでなく、他国との水平比較も必要だ。

 5.2%という中国経済の成長率は約3%という世界経済の成長率予測を上回り、世界の主要なエコノミーのなかで上位にある。

 国家統計局によると、中国経済は2023年の世界経済成長に対する寄与率が30%を超える見通しで、世界経済の成長における最大のエンジンだ。

126兆元が意味するものとはなにか

 2023年に中国のGDPは126兆元を超えた。これは不変価格で6兆元増加した計算となり、中進国の1年間の経済規模に相当する。

 世界経済が低迷し、地政学的紛争が頻発し、国内の周期的・構造的矛盾が多かった昨年、中国経済の歩みは容易なものではなく、GDP成長率は第1四半期に4.5%、第2四半期に6.3%、第3四半期に4.9%、第4四半期に5.2%となり、前期が低く、中期が高く、後期が安定するという傾向を示した。

 こうした複雑な状況のなか、中国経済が回復・好転し、このような成果を挙げたのは実に容易ならざることだといえるだろう。

どれだけの価値をもつのだろうか

 中国国際経済交流センターの張燕生首席研究員によると、中国が事実上3つの「打撃」に直面していたことを考えると、5.2%という成果は並大抵のことではない。第1の打撃は新型コロナウイルス感染症であり、今日に至るもなお中国経済・社会の各方面に影響を与え続けている。第2の打撃は国際的な地政学的状況のもたらした打撃。第3の打撃は災害級の異常気象を含む気候変動だ。こうした打撃の影響を考慮すると、中国が2023年に5.2%という成長率を達成したのは並大抵のことではない。

 張首席研究員によると、まず第1に、中国社会全体の研究開発(R&D)費が3兆3,000億元に達し、R&D比率が2.64%に達したことだ。これは、中国が2023年に、どれほど困難であろうとも、研究開発 ・技術革新への投資を増やしたことを示しており、とくに注目される。もう1つは、経済に対する内需の寄与度が111.4%、消費の寄与度が82.5%、サービス生産額(付加価値ペース)の寄与度が54.6%であったことだ。

 張首席研究員はまた、2024年と2025年には、質の高い発展が、成長の妨げを解消するための次の主要な攻略ポイントになると見る。まず、引き続き内需を拡大し、内需拡大と供給側構造改革の協同を図る必要がある。また、消費を経済成長の強大な牽引力とすることで供給の質を高めることを含め、大衆消費を安定させる必要がある。

過大評価の声も

 中国政府が2023年の実質成長率で「5%目標」の達成を表明したことをめぐり、米国で疑念の声が出ている。固定資産投資の伸びなどが過大評価されているとの見方が多く、一部の米民間調査会社は実際の成長率が1.5%程度にとどまると指摘する。

 米調査会社ロジウム・グループは23年12月末公表のリポートで「中国政府が5%成長の目標達成を主張したとしても、実際の成長率は1.5%程度だろう」と指摘した。住宅建設などの不動産投資や企業の設備投資が減速し、成長にほぼ寄与しなかったと推測している。

 米ブルームバーグ通信は1月18日、「中国経済は本当に5.2%成長したのか、全員が同意しているわけではない」と題する記事を掲載。

 国際通貨基金(IMF)は23年10月時点の見通しで、24年の中国実質成長率が4.2%にとどまると予測した。民間でもドイツ銀行が4.7%と予想するなど、5%を下回るとの見方が出ている。

 東京財団政策研究所主席研究員柯隆氏は、「2023年3月に開かれた全人代で5%前後の成長を目標に掲げ、それを達成できなかったというのはなかなかいえない。しかし、経済指標もそうだが、上海株価と香港ハンセン指数は『5%成長している経済』のものではない」と論評した。

 米金融界には中国の中長期的な成長への根強い期待もある。米大手投資ファンドKKRの幹部、ヘンリー・マクベイ氏は中国の成長ドライバーは従来の不動産投資などから産業のデジタル化や脱炭素化に移りつつあると主張する。


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