日本企業の中国経済への見方(前)
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今年の政府活動報告は、中国は改革を掘り下げ開放を拡大し、ビジネス環境を持続的に改善すると同時に外資導入を拡大し、外商投資奨励産業リストを拡大し、外資系企業の域内での再投資を奨励するとした。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、日系企業の90%が中国事業の拡大もしくは現状維持を希望している。中国の政府活動報告が発した積極的なメッセージが、在中日本企業をいっそう奮い立たせることは間違いない。
キヤノン(中国)
キヤノン(中国)有限公司の小澤秀樹社長は、中国「環球時報」の取材で、「今年の中国の発展の主な目標は、5%前後の経済成長だが、当社はこの目標の達成を信じている。中国の文化観光市場は昨年より力強く回復し、消費が持続的に回復している。今年のこの賑やかな春節を通じ、当社は中国消費市場の大きな潜在力と、中国経済の回復加速の良好な流れを再び目にした」と述べた。
中国は高水準の対外開放を堅持し、市場化・法治化・国際化の一流のビジネス環境を持続的に構築し、各国の企業の対中投資と中国事業により多くのサポートと利便性を提供している。小澤氏は、「今年の両会の政府活動報告は、経済発展を促進する各種政策措置を発表した。とくに政府活動任務では、国有企業、民間企業、外資系企業はいずれも現代化建設の重要な力とされた。外資導入の拡大については、外商投資サービスおよびサポートを強化するとされた。これらの具体的な措置はグローバル企業にとって実質的な意義をもつ」と述べた。
小澤氏はまた、「中国は対外開放の水準を持続的に高め、国の高品質発展戦略を推進し実行し、外資誘致および資金導入政策を科学的・合理的に制定している。外資系企業は中国で公平・公正・開放・便利のビジネス環境を享受している。現在の中国のビジネス環境は世界をリードしており、企業に生存と発展の厚い土壌を提供している。当社は中国のビジネス環境がより良くなることを信じており、また中国市場の無限の潜在力に非常に期待している」と述べた。
小澤氏は、中国経済の回復はアジア、ひいては世界経済に大きな推進力を生むと見ている。小澤氏は、「中国人消費者の需要の大幅な回復は、各貿易パートナーの対中輸出を刺激するだけでなく、中国とつながるすべてのバリューチェーンにも利する。中国はすでに質の高い発展の道を闊歩しており、経済への期待感の持続的な好転を保証すると同時に、経済発展の質と効果を高め、新たな発展構造を構築し、安定しつつ前進するという質の高い発展の基調をより重視している。これらは外資系企業が中国に期待し続ける重要な理由だ」と説明した。
中国は依然として世界の多くの国にとって最大の貿易パートナーであり、世界のバリューチェーンにおける中国の参加率と重要性は低下していない。小澤氏は、「中国には世界が不可欠で、それよりも世界には中国が不可欠だ。中国は現在の世界の大環境において、国際大循環により深く参加し、かつ国内大循環と国際大循環を相互促進させ、各国と経済発展のボーナスを共有している。例を挙げると、中国はすでに140以上の国と地域の主要貿易パートナーになっており、外資導入と対外投資で世界の上位を占めている。毎年の輸入博、サービス貿易交易会、消博会、サプライチェーン博などはすでに世界が注目する祭典になり、世界の企業を集め、中国の対外開放水準を高めている」と述べた。
三井住友海上
三井住友海上(中国)有限公司の菅匡彦董事長兼総経理は「環球時報」の取材に対し、中国の政府活動報告にあった「フィンテック、グリーンファイナンス、インクルーシブファイナンス、養老金融、デジタル金融の発展に力を尽くす」「グリーンで低炭素な経済の発展に力を尽くす」などの内容により、未来の中国経済の構造最適化および高度化モデル転換の青写真や、多元的な発展の将来性を目にしたという。
菅氏は、「両会後の中国経済の発展を楽観している。中国経済の高い強靭性と大きな潜在力や、質の高い発展を促進する政府の決意と措置は、活力とチャンスがあふれる市場の見通しを示した。とくにグリーンファイナンス、デジタル化科学技術イノベーション、対外開放などの分野で中国経済の怒涛の原動力を深く感じ、手を携え共に歩み共に発展を目指す無限の可能性を目にしている」と述べた。
菅氏はまた、「当社は改革開放後に第1陣として中国保険市場に進出した外資系保険会社で、中国経済の急発展と良好なビジネス環境のおかげで中国事業が穏健に成長した。中国市場は大規模だ。とくに質の高い発展が掲げられた後、中国経済は徐々にイノベーション発展にモデル転換し、その過程において多くの新しいチャンスが生まれた」と述べた。
菅氏は「環球時報」に、「中国は創業とイノベーションの熱地で、先端科学技術が非常にスムーズに社会レベルで実践される。両会は、新たな質の生産力の発展を急ぐとしたが、当社は伝統的な生産力と新たな科学技術の融合発展に非常に期待している。国際情勢は複雑で変化が激しいが、当社の中国市場への揺るぎない約束と長期的な投資は終始変わらない」と述べた。
菅氏は、「グローバル化は依然として世界経済の発展を促す重要な原動力で、その全体的な流れは変わっていない。また日中両国の経済関係もしっかりつながっている。中国経済の持続的な成長、市場規模の持続的な拡大、対外開放政策の持続的な掘り下げは、外資系企業に大きな発展の余地を提供した」と述べた。
(つづく)
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