日系自動車メーカー、中国で「存亡の危機」に(前)
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日系自動車メーカーが今、中国市場でこれまでにない苦境に立たされている。
大手各社が発表した最新のデータを見ると、今年4月の中国での販売台数は、トヨタ自動車が2023年4月より27.3%減、ホンダが同じく22.2%減、日産が10.4%減となっている。
ホンダは2024年度の中国での販売台数を13%減と予想しており、ピークだった2020年に比べて40%も落ち込むことになる。日系車のシェアは12.2%まで減った
中国自動車工業協会がまとめた中国市場での日系車のシェアについて、2020年には23.1%であったが、2024年1~4月には12.2%まで減った。一方で中国メーカーのシェアは38.4%から60.7%まで伸びている。
中国でシェアを落としているのは日系車だけでなく、ドイツ系も2019年の24.2%から2023年には17.8%に、韓国系も同じく3.1%から1.6%に減っている。
中国は世界最大の自動車市場である。2023年の自動車販売台数は史上初めて3,000万台を突破して約3,009万台となり、15年連続で世界一となった。中国に次ぐ市場規模のアメリカ市場が約1,560万台)ですから、じつにその約2倍となる規模だ。
このうちEVの販売台数は約669万台とこれも世界最大で、市場全体に対するEV販売比率は約22%に達す。また、プラグインハイブリッド車(PHEV)の販売台数も約280万台と伸びており、EVとPHEVを合わせた市場占有率は約32%。中国で販売されている車のうち約3台に1台がEV・PHEVということになっている。
中国に比べると、日本のEV普及率がまだ低い。
日本自動車販売協会連合会の発表によれば、2023年(1~12月)のEV(普通乗用車のみ)の新車販売台数は約4万4,000台。これは新車販売台数の約1.66%にあたる。
まだ2024年は始まったばかりだが、上記と同じく、新車販売台数をベースに考えると、2024年1~2月における普通乗用車のEVのシェアは約1.16(約4,600台)、軽自動車では約3.32%(約6,300台)となっている。合計数でのシェアは1.85%、2023年よりも減少している。
なぜ中国市場ではこれほどまでにEVが消費者の支持を集めているのだろうか。その理由の1つとして「低価格でコンパクトなEVが数多く用意されている」という点が挙げられる。
中国の低価格EVでは、2020年に上汽GM五菱(上汽通用五菱汽車)が約50万円という驚きの車両価格で販売した「宏光MINI EV」が大ヒットしたことがあった。しかし、現在のコンパクトカークラスでは、全長4m前後のボディサイズの4人乗りハッチバックが支持されており、なかでもBYD「シーガル(海鴎)」と上汽GM五菱「ビンゴ(繽果)」が人気を二分している。
このうち「ビンゴ」には5モデルが用意され、航続距離が300㎞のエントリーモデルは車両価格5.98万元(約125万円)。このように低価格かつコンパクトなEVが数多く供給されるのは世界中を見渡しても中国市場だけだ。
(つづく)
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