【加藤縄文道27】アナログ・トランスフォーメーション(AX)時代到来と縄文道

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(一社)縄文道研究所
代表理事 加藤春一 氏

イメージ    日本滞在歴44年の英国人で、日本文化に精通するアダム・フルフォード氏が最近アナログ・トランスフォーメーション(AX)を提唱し始めた。世界のデジタル・トランスフォーメーション(DX)との対称的表現である。縄文道の趣旨、価値観と共通するので共感を強く感じたと同時に、なぜ現代社会に必要かを考えていきたい。

 この考えは、基本的に小生が主催する縄文道塾で、すでに共有されている。背景としては以下の理由が挙げられる。

1.都市化が進み、地方が衰退している。政府は地方創生を唱えている
2.少子高齢化で、地方はますます過疎化が進んでいる
3.受験予備校と偏差値体制で、子どもは真の知力、体力、気力が劣化している
4.現代生活の快適性で、大地に根差し、自然と接する機会の消失
5.国民はすべてスマホに依存し(真の知力を使わない)一億ゾンビ化している。スマホからの簡易情報のみに依存する危険性
6.出来合い弁当で国民の健康は添加物、保存剤で劣化

 上記理由が一因として考えられる子どもの劣化現象は以下に見られる。

1.マッチに火が付けられない
2.腕立て伏せができない
3.懸垂ができない
4.リンゴ、なし等の皮むきができない
5.野良仕事や土いじりができない

 日本の子どもの肉体劣化、精神の劣化現象は凄まじい。日本人は今こそ古代から引き継いできた大地に根差し、自然と共有、共生する生活を取り戻すべきだと主張する。

 上記メッセージ発信の急先鋒は、我が塾で縄文精神の復活を唱える「ジョーモニア」の主催者・田村慎吾氏だ。ちなみに彼はソニーの創業者・井深大の影響を受け、5代の社長に仕えた、ソニー技術部門の元技術部長で、CD-ROM 、二足歩行ロボット「QRIO(キュリオ)」などを手がけた。また、ステーブ・ジョブズとiPhoneの初期の開発にも関わった人財だ。現在は井深大の人づくりを継承している。そして「井深大はジョーモニアン」と語る。

 縄文道塾には、多士済々の人財があつまっているが、共通の価値観は世界最古で、世界最長、世界最高水準の縄文文化の価値の見直しだ。具体的には約1万2,000年前の縄文時代に栽培されていた(福井県鳥浜遺跡)麻の文化の復活だ。この程、有志と一緒に(株)WELFAREを昨年11月26日に登記完了した。南の親日国パラオ共和国で麻を栽培し、能登半島で生産加工する予定だ。

 麻は人類にとってさまざまな用途に使用してきた最古の貴重で価値ある植物だ。成長が早く、南国であれば二毛作、三毛作も可能だ。また鯨の肉と同様、すべての部位が使用可能だ。また、麻のドキュメンタリー映画を3本製作した。国際的なドキュメンタリー映画監督・吉岡敏朗監督と縄文文化と麻の文化の映画化も企画中だ。

 縄文道は特許庁の商標登録を取得した2018年から、世界へ縄文文化の価値を伝搬する目標を掲げてきたが、この麻の事業を通じてようやく具体化し始めたところだ。今後の進化、発展の軌跡は、段階的に縄文道通信で報告予定だ。

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