最高の山開き(後)

山開き当日

 4月29日(火・祝)、学生を送迎する脊振の自然を愛する会・西南学院大学ワンダーフォーゲル部OB(以下、ワンゲル)たちは、母校の大学体育館前に自家用車4台で集合。国道263号の有料三瀬峠トンネル経由で、佐賀県側の山中地蔵登山口へと向かった。他のスタッフは現地に午前9時15分集合としていた。

 佐賀県側の金山脊振林道にある山中地蔵登山口から登ると金山山頂に1時間で着く。福岡県側から登ると2時間余りはかかる。この林道はスタッフにとってありがたい。

 広域林道に集合しても後続のOBと学生の車がやって来ない。有料三瀬峠トンネルを出て100m進むと旧国道263号へとUターンする必要があるのだが、どうやら、そのまま直進し、佐賀方面へ進んだらしい。先発隊に出発してもらい、筆者は遅れた3台を待った。2度携帯電話で連絡し、ようやく合流できた。

 30分遅れで筆者を含む後続組が出発した。佐賀方面の山中地蔵登山口から山開き参加団体と一緒になった。共催のSAGAアウトドアガイドクラブのツアー登山者である、参加者はスタッフを入れて25人と聞いていた。スタッフに挨拶を交わし先に進む。

SAGAアウトドアガイドクラブ 金山登山ツアーの皆さん
SAGAアウトドアガイドクラブ 金山登山ツアーの皆さん

 山頂近くに来ると、山頂から先発隊の賑やかな声が聞こえてきた。山頂は賑わっているようだ。すでに下山してきた登山者が何人もいた、山頂は登山者であふれているので移動するように言われたとか。

 山頂がみえてきた。先発隊が山開きの準備をしてくれていた。山開きのノボリが山頂を賑わしていた。記念タオル、名刺状のQRコード付きアンケート用紙、早良消防署から配布を頼まれた山火事注意のチラシの3点セットを登山者に配る。ワンゲルの若い女子部員が配布役になっていた。女子部員が配ると登山者もにこやかな表情を浮かべていた。

記念タオルを広げて記念写真
記念タオルを広げて記念写真
ワンダーフォーゲル部女子部員からアンケートをお願いされる登山者
ワンダーフォーゲル部女子部員からアンケートをお願いされる登山者

 登山者が続々と登ってくる。記念タオルの配布時間は午前11時から午後1時である。上空からヘリコプターの音が聞こえてきた。放送局の取材である。前日、FBS福岡放送の記者から筆者宛てに、山開きの取材についての詳細を問い合わせる電話があった。山開きのピークは午前11時ごろだと伝えていたところ、その午前11時ごろにヘリがやってきた。

 前日に電話があっていたので、すぐにFBS福岡放送のヘリだと分かった。登山者に「手を振りましょう」と伝えた。ヘリは20分ほど上空でホバリングしていた。山開きの取材でヘリがきたのは初めてだった。地上とヘリでの山開きの様子は、その日の夕刻、ゴールデンウイークのニュースとして放送された。

FBS福岡放送の取材ヘリに手を振る登山者たち
FBS福岡放送の取材ヘリに手を振る登山者たち

 今年卒業のワンゲル部員、OB・OG、筆者のスキー仲間も登ってきた。汗をかいて登ってきたのに、すでに予備のタオルがなくなっており、申し訳ないと思った。

 14年の山開き開始以来、多くの登山者で山頂は賑わった。7年ぶりの開催となったが、今までの鬱憤を晴らすかのようだった。

 筆者は自宅で夕刻のFBSのニュースを見た。上空からの取材の様子には涙が出た。パソコンで検索するとFBSのニュース集でYouTubeにもアップされていたので、会員や関係者にしらせた。1週間後、アンケート結果が担当のKから届いた。回答は40数名だが満足のいく内容であった。

(了)

脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

(前)

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