【続報サクラディア】元従業員が訴えた裁判2回目期日 現代表「支払義務認める」
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複数の取引先への支払い遅延が発覚し、一時は当時代表だった渡邊洋平氏が失踪するなど関係者を混乱させた結婚式場「サクラディア」運営のPROinnovations(株)。
3月19日には建物オーナーから式場の賃貸借契約を解除され、事実上の事業停止に追い込まれていた。それでも、サイト上では営業を継続する動きが確認されていたが、それも束の間、サイトも消滅。営業手段は完全に断たれていた。
その後、連絡を絶った経営陣から取引先への誠意は感じられなかった。そんななか、6月21日、元従業員が給料等請求事件として、会社と現代表の渡邉光博氏個人を訴えた裁判の第2回期日を迎えた。
第1回で確認された内容に対して、被告会社と被告から反論の書面は提出されず、原告の訴えを認めるかたちとなった。原告の請求は給料と立替金合わせ、約85万円を求めるもの。被告は支払義務を全面的に認め、今後は支払計画を提出、原告が合意すれば、7月26日に判決が言い渡される予定。
取り残されているのは、同社からの支払いを待つ数十もの取引先だ。実質経営を掌握していた前代表、およびその父親である現代表ともに連絡が取りづらい状況にあるといい、取引先には諦めムードが漂い始めている。
取材の過程で、同社の2月初めの時点での未払い金額は総額で少なくとも1,800万円にのぼることが判明している。支払いが滞っている取引先は、50社を超える。多くが個人事業や零細企業であり、未回収による経営へのダメージは大きい。
さらに開業時および昨年末からの事業立て直しのため、資金提供したスポンサー2社の額は取引先のそれとは比べ物にならない。
筆者は、現代表も被害者の1人であると推察する。経営立て直しのために、3月9日、急きょ前代表に代わり、その父親が代表取締役に就任。前代表がどのように説明して、父親を動かしたのかは不明だが、すでに立て直しできる状況になかったことは明らかだ。
渡邊洋平前代表が責任を逃れたかたちとなっており、このままではまさに「逃げ得」。取引先のやりきれない感情に胸が痛む。
【東城 洋平】
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