建築基準法の見直しは必須、熊本地震の影響
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ある建築設計事務所の建築士は今回の熊本地震を受け、次のように語る。「ニュースでも報じられていましたが、熊本で庁舎が使用不可能になるという事態が起きました。本来ならば防災拠点となるべき庁舎が、この状況ですから、建築基準法の改正はほぼ間違いなく進むでしょう。通常の建築物に比べて、1.5倍以上の耐震仕様が求められる庁舎ですが、今後はさらに高レベルの仕様が要求されるでしょうね」。
また、住居の損壊を受け連絡してくる住民や物件オーナーに対して、思うところもあるようだ。「住まわれている方や、オーナー様のことを思えば、あまり強くは言えませんが、それでも言わせていただきたいこともあります。建築デザインにおいては、優先すべき順位として①に人命、②に財産です。地震が発生した場合、建造物が倒壊しないように、つまり人が潰されることがないように配慮しデザインします。まったくヒビが入らないようにデザインするわけではありませんし、それは正直申し上げてかなり難しいことです」。
柱に×印の傷が入り、まくしたてる住民もいるが、その傷も「倒壊しない」ことを前提とした構造計算による結果であるといえる。もちろん、それでも想定外の事態は起きてしまう。耐震化率の引き上げはもちろんだが、自然の力への畏怖は、常に胸に留めておくべき備えといえるのではないだろうか。
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