2024年12月23日( 月 )

【名門・筑女の異変】異教の新理事長誕生は辞任要求への反撃か?(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

tikujo-min 浄土真宗の教えを建学の精神としながらも、新理事長に「生長の家」の信者である仏壇のはせがわ前代表・長谷川裕一氏が就任した学校法人 筑紫女学園。創立以来、浄土真宗の教えに基づく教育を行っている同学園には、教職員だけではなく、生徒のなかにも浄土真宗の寺院の子どもを含む門徒が多く、「長谷川氏の理事長就任を心配する生徒や福岡教区の浄土真宗の寺院からの問い合せが増えている」(学校関係者)という。近日中に理事会が開かれるとされ、その動向が注目されている。

 長谷川氏就任の経緯については不明な点が多く、学校関係者は内外から寄せられる問い合せへの対応に苦慮しているという。NetIB-NEWSは6月28日に長谷川新理事長に取材依頼を行ったが、応諾の期限とした7月6日を超えても連絡はない。名門「筑女」の理事長就任は、たいへんな名誉と思えるが、その経緯に、よほど触れられたくない事情でもあるのだろうか。

 実は、学校関係者への取材で、長谷川新理事長誕生の背景には、前理事長である糸島市・法林寺の住職、笠信曉氏と笠氏に理事長辞任を求める教職員の激しい対立があることがわかった。理事会内でも理事長派と反理事長派に分かれ、ついには3月25日の理事会で、反理事長派によって理事長解任の議題が提出されようとしていた。ところが当日、前代未聞のハプニングが発生した。

 理事会の決議は、1度審議を行った後、評議員会への諮問を経て再び理事会で行われる。当日の議題には、予算や事業計画といった学校運営の重要事項も含まれていた。ところが、笠氏は、自身の理事長解任が議題にあがることを受けて、2度目の理事会が開かれる前に帰ろうとした。その前の評議員会中には、長谷川氏を含む理事長派の理事数名が退席。残された反理事長派の理事7名と1名の委任状では寄附行為第17条9項の規定(総数の3分の2以上の出席)に1名足りず、理事会が開けなかった。このため、複数の評議員が笠氏を思い留まらせに行ったが、そこで笠氏が運転する車が評議員1名に接触する事故が発生した。

 学校関係者によると、当時の状況は以下の通り。最初、車に乗り込んだ笠氏を複数の評議員が説得。しかし、笠氏は応じないまま車を発進。応援に駆けつけた評議員、職員が学校から逃がさないように校門前に並んでいたが車は止まらず。その人の壁を避けようと笠氏の車は左に曲がったが、一番左に立っていた評議員の脚をタイヤで轢き、押し倒してしまった。轢かれた評議員は救急車で運ばれ、笠氏は警察の事情聴取を受ける。その後、動揺する笠氏を説得し、年度末に決めなければならない予算などの重要議案を決議するため、理事長解任の議題を引っ込める代わりに出席を促したという。

(つづく)
【山下 康太】

 
(後)

関連キーワード

関連記事