2024年11月27日( 水 )

九州地銀の第1四半期(17/3)を検証(5)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

3.九州地銀上位3グループの資産内容について
(1)17年3月期 第1四半期(16/6月期)の総資産順位表
 ふくおかFGの総資産残高は全国地銀のトップだったが、2016年4月1日に誕生したコンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)にその座を譲ることになった。【表1参照】

<この表から見えるもの>
 コンコルディアFG(東京都中央区)は横浜銀行と東日本銀行が経営統合し誕生。16年6月期の総資産は18兆2,219億円となり、ふくおかFGの17兆7,329億円を抜いてトップとなった。その差は4,890億円。ただふくおかFGは頭取を派遣するなど支配下にある福岡中央銀行(5,022億円)を加えると、実質的には全国トップの座にいるが、来年4月に十八銀行(総資産2兆9,085億円)と経営統合を予定しており、再びトップの座を奪い返すことになる。
 九州地銀の第2位は九州FGの9兆3,847億円。第3位は西日本シティ銀行の9兆2,252億円だが、その差はわずか1,592億円。西日本シティ銀行は今年10月3日に、西日本フィナンシャルホールディングス(FH)を設立し、長崎銀行(総資産2,665億円)を経営統合する予定となっており、第2位の座を巡る争いは熾烈を極めることにそうだ。また提携銀行の豊和銀行の動きにも注目が集まっている。

(2)純資産について
 純資産のトップはふくおかFGの7,865億円。連結修正していない個別合計では福岡銀行が6,060億円(73.7%)。熊本銀行は865億円(10.5%)。親和銀行は1,294億円(15.8%)となっており、一強二弱体制となっている。
 第2位は九州FGの6,106億円。個別合計では肥後銀行が3,044億円(50.4%)。鹿児島銀行が2,999億円(49.6%)。福岡銀行の6.060億円を上回っており、財務内容の良さが目につく。
 第3位は西日本シティ銀行グループの5,297億円。そのうち西日本シティ銀行が4,879億円(94%)。長崎銀行は139億円(2.6%)しかなく、グループでの存在感は薄いようだ。

<まとめ>
 九州地銀の上位3グループの資産内容見てきたが、ふくおかFGでは福岡銀行に熊本銀行と親和銀行が依存する体制となっている。それに対して九州FGは肥後銀行と鹿児島銀行の資産内容がほぼ同じであり、西日本FHでは長崎銀行が重荷になっているのが分かる。
 人口の減少に伴う地域経済の縮小による金融再編は待ったなしの状況となっている。現在単独で生きている九州地銀7行も、いずれこの3グループを中心に進む金融再編に参加することになると見られている。果たしてどこと組むのが地域経済及び従業員ために、ベストの選択となるのだろうか。

(つづく)
【北山 譲】

hyou

 
(4)
(6)

関連記事