2024年11月26日( 火 )

強行された新理事会、筑紫女学園の新理事長に杣山真乘氏を選任

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

幻になった「長谷川理事長」

 学校法人筑紫女学園は6日、福岡市内で理事会を開き、役員改選案を採決。終了後、直ちに同じ貸し会議室の別室で新理事による理事会が開かれ、飯塚市の明正寺住職・杣山真乘(そまやま・しんじょう)氏が新理事長に選ばれた。今回の理事会は、福岡地裁が2月23日の判決で無効とした昨年6月10日の理事会における役員改選案決議のやり直しと見られる。司法から理事長の地位が無効とされた大手仏具販売メーカー(株)はせがわの相談役・長谷川裕一氏が、あらためて理事長に選ばれることはなかった。

 教職員側から猛反発を招いた長谷川氏を理事長とせず、批判をかわそうとした形だが、改選案の可決ありきで新理事のメンバーを招集し、直ちに理事長選任を行った強引な手法に、学校関係者からは驚きと怒りの声があがった。また、理事資格があるとされる2名に招集通知が届かず、また、従来、理事会と同時開催の評議員会が開催されなかったことから本理事会の開催そのものに疑義が生じている。

 理事会の会場周辺には、筑紫女学園の幼稚園、中学・高校、大学の教職員および同窓生らが集まり、会場に入る理事1人1人に対して正常化を求める声がかけられた。最初の理事会終了後、別の会場に移る長谷川氏は、「いつでもお話をしようということで承っています。ぜひ、来て下さい」「私の不徳ともあまり言いたくはないが、ほんとに本気ですよ」などと、適正な理事会運営を訴える教職員に対応。また、現在の混乱につながる学校運営における教職員側との対立を招いた笠信前理事長は、新理事会の開始数分後に退場。笠氏は取材に対し、「(私は昨年)6月10日に退任していますから、なぜ、私がここに来るのかもわからない」とコメントした。

【山下 康太】

 

関連キーワード

関連記事