名門下関ゴルフ倶楽部、理事長不在で崩壊の危機(番外編)
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下関ゴルフ倶楽部に西中国信金に金融庁
下関ゴルフ倶楽部の経営から手を引いた山口銀行に変わってメイン銀行となった西中国信用金庫に金融庁検査が入ったとの一報が入ってきた。
クラブハウスの建替え提案した福田理事長(山口FG社長兼山口銀行頭取/いずれも当時)は、取引先に新規会員権の購入やハウス建替預託金への預入れを依頼。山口銀行や関門港湾建設(株)、住吉工業(株)など応じたという。また北九州銀行の加藤頭取(現在会長)は、(株)井筒屋、ボングルメ(株)、第一交通産業(株)の社長などに直接声を掛けたと言われる。
二転三転した金融機関借入
しかし募集目標からは大きく乖離。クラブハウスの完成が間近に迫る昨年7月、下関ゴルフ倶楽部のメイン銀行である山口銀行豊浦支店長が「利益相反行為」に悩み自殺したことから山口銀行は自行での融資を断念。
金融機関からの借入が喫緊の問題となり、福田理事長は地元の西京銀行と西中国信用金庫に声を掛け、西京銀行が応じる姿勢を真っ先に見せたという。
しかし「ゴルフ半額プレイ」で経営側と会員有志とが裁判で争っていることなどを知り、手を引いたといわれる。そこで引き受けることになったのが西中国信用金庫。山本徹会長は下関ゴルフ倶楽部の監事であることから引き受けざるを得なかったというのが実態だろう。
11月30日に8億円(長期4億5,000万円/短期3億5,000万円)融資が実行され、清水建設に支払われた。まさにその11月30日、2年に及び山口地裁下関支部で争われていた「ゴルフ半額プレイ」の社員代表訴訟が結審。原告の「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(住興信世話人)が全面勝訴し、福田理事長ら4人に対して、既報の通り支払い命令が下されたのだ。
歯車が狂った西中国信用金庫の融資
ここから西中国信用金庫の融資が問題となる。下関ゴルフ倶楽部の理事長は山口銀行の会長であり、支配人は山口銀行からの出向者。バックには山口銀行がついており、この融資は問題ないと西中国信用金庫は応じたと見られる。
しかし12月31日付で頼みとする福田理事長が辞任。3月30日の定時総会までに決めるとした後任の理事長は決まらず、代表理事の中部哲二氏が理事長代行に就任。また総会後に理事会を開催したが理事長は決まらず、異常事態が続くことになった。
しかも山口銀行から出向していた前田昌宏支配人も去り、下関ゴルフ倶楽部から山口銀行は手を引くことが明白となった。
後の祭りというのだろうか。無担保・無保証で融資した西中国信用金庫は債権保全のため、慌てて不動産担保の差し入れと主力口座の移管を求めているとのこと。11億円で建替えたクラブハウスは借地上に建っており、問題は山積していると見られる。そんなときに金融庁の検査が入ったのだ。
下関ゴルフ倶楽部は別表の通り、29年3月期の収支予算では3万人の入場者により、4億2,800万円の営業収入と新規入会金1億2,000万円(200万円×60名)を計画。1億8,600万円の当期純利益を予想しているが、こんな収支はあり得ないと定時総会で大きな問題となったと言われる。
「ゴルフ半額プレイ」の社員代表訴訟は、広島高裁に控訴しており、第1回目の公判は4月24日に予定されている。
下関ゴルフ倶楽部の代表理事だった福田浩一氏が辞任し、現在中部哲二氏と梅﨑弘毅氏の二人だけとなっている。しかし梅﨑氏は有罪判決を受けており、辞任せざるを得ない状況に追い詰められている。
下関ゴルフ倶楽部の「ゴルフ半額プレイ」の反響は大きな広がりを見せ、山口銀行のトップ交代だけではなく、西中国信用金庫の山本会長の責任問題にも発展してきているようだ。
【データ・マックス 特別取材班】
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