2024年11月22日( 金 )

成長企業はその内容に注目すべき

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 求職者が会社を選ぶ場合、誰しも業績の良い会社に入ることを願うでしょう。売上高が右肩下がり、赤字続きで倒産するかもしれない、そんな会社に入りたい人は普通いません。成長過程にあり売上高が伸びている会社は、将来性もあり魅力的です。会社も売上高の伸びを対外的なアピールに利用することは多いものです。ただし、実際に事業が好調で業績が伸びているのかどうか、内容には注意すべきポイントがあります。

 1999年の商法改正で株式交換が認められたこともあり、近年の企業買収(M&A)は大きく変化してきました。かつては資金力がなければ企業買収は難しく、企業の成長スピードにも資金力が大きな影響を与えていました。ところが自社の株式と買収先の株式を交換することで子会社にすることが可能となり、企業買収を駆使した企業の成長スピードは格段に速くなりました。資金力がなくても企業の成長性を武器に事業の拡大がしやすくなったのです。問題は、拡大の容易さの反面、会社の実態が見えにくくなったことです。

 M&Aの定石は、本業とシナジー効果のある企業を買収し、スケールメリットを生み出しながら規模を拡大していくものです。売上高も増加するため、対外的に成長している会社との評価を得やすくなります。ところが、こうした表面的なイメージアップは、シナジー効果を生まないようなM&Aでも演出することができます。企業の収益構造やビジネススキームは、一般の人にはわかりにくいもので、売上高が増えた要因まで細かく見ることもありません。つまり、あまり意味のないM&Aであっても、会社が成長しているように見せることができます。さらには、非常にリスクが高く将来的に不安視されるようなM&Aでも同様です。成長企業を演じ、対外的なイメージアップを図るために、意図的にこうしたM&Aを繰り返すような企業もあります。売上高が毎年増加している企業を調べてみると、本業と関係のない会社を買収し、売上高だけが増加して実態が伴っていないようなケースも珍しくありません。

 求職者は、自分が選ぼうとしている会社が、本当に中身のある成長をしている企業かどうか、細かい内容まで見ながら判断する必要があるのです。


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