解散あれば立憲は玉砕か 選挙政策集は消費税凍結のまま
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立憲民主党は24日、「選挙に向けた政策集」(枝野幸男代表)である『立憲ビジョン2019 #令和デモクラシー』を発表したが、消費税については「10%引き上げ凍結」にとどまり、解散・総選挙があれば同党の敗北は濃厚だ。引き下げを掲げない理由について、枝野代表は記者会見で「市民連合との一致」と答えた。
『立憲ビジョン2019』は経済やエネルギー、外交など5つの分野の政策を概説する。このうち、「1、暮らしからはじまる経済成長へ」と題した経済政策は、20日に発表した『ボトムアップ経済ビジョン』を基に、「5年以内に最低賃金を1,300円へ引き上げることを目指す」や「消費税10%への引き上げを凍結」などが明記されている。
積極的な財政出動はうたわれておらず、消費税が現状のままなら、わが国が20年続くデフレから脱却するのは不可能だ。
政局でも、内閣不信任決議案の提出を受けて安倍晋三内閣が解散に踏み切る可能性は消えていない。その場合、安倍首相は消費税凍結を表明すると考えられる。この期におよんで立憲が「凍結」で通すなら、政権交代する気がないと見られても仕方がない。
野党では、山本太郎氏率いる「れいわ新選組」が消費税5%への引き下げを公約に掲げ、国民民主党の玉木雄一郎代表がこれに同調する発言をしている。一方、「(解散は)頭の片隅にもない」との安倍首相の発言を受け、立憲は恐る恐る25日の不信任決議案提出を検討し始めた。冒頭の通り、枝野氏は「選挙に向けた」と表現しており、衆参同日選の想定を排除していないとみられる。
記者会見で筆者がその旨を説明し、「引き下げへの障害は何か。(支持母体である)連合への配慮か」と質問した。枝野氏は「市民連合の皆さんと野党5会派は政策について意見を一致させている。そこで、消費税引き上げ凍結についても一致している」と答えるとともに、「ここはご意見をいただく場ではない」と不快感を示した。
「市民連合」とは「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の通称。立憲、国民、共産、社民と衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」(代表・野田佳彦元首相)は5月29日までに、夏の参院選で32ある1人区のうち30選挙区で候補一本化に合意するとともに、13項目の「共通政策」に調印している。
野田氏は消費税を8%に引き上げる「3党合意」を仕掛けた張本人。枝野氏は野田内閣で経産相を務め、菅直人内閣では官房長官を務めた。福山哲郎幹事長は菅内閣の官房副長官だった。
玉木氏の消費税引き下げ発言と「れいわ新選組」の動きは、軽減税率が適用されるテレビ・新聞(デジタル版を除く)でまともに報じられていない。一方で、「れいわ新選組」と山本代表へのネガティブキャンペーンが始まっている。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。▼関連記事
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